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RC230


 
1. 分科会名称

『歯車装置の使用範囲拡大のための設計・製造技術に関する調査研究分科会』

2. 主査名 松本 將(早稲田大学 大学院情報生産システム研究科 教授)
3. 設置期間 2007年4月〜2009年3月(2年間)
4. 活動目的・内容  
 歯車装置は信頼性,負荷容量の大きさ,効率など多くの面で他の伝動装置に優っている.世界的に見ても歯車装置開発ニーズは強く,わが国歯車関連産業の勝ち残りを果たすために,新たな視点で歯車装置の競争力を強化して行かねばならない.この目的に寄与するための実践的な技術的方策を追究する分科会を設置する.
 使用範囲を拡大し競争力を高めるためには,歯車装置自体の使用限界を高める方法と,歯車装置の用途を拡大して行く方法がある.前者では,歯車設計強度向上,振動騒音低減など従来から追及されている歯車の設計・製造技術の本質的な手法の改善を通して,小型軽量化,信頼性向上,コスト低減,トラブル未然防止の実現につなぐことである.後者は,歯車装置用途を拡大する方策で,輸送機械や産業機械に加えて,ロボット,医療機器やOA機器などの新たな機械システムへの積極展開,および真空,水中や高温などの特殊環境下で,新たな機械製品システムの創出へ繋ぐことである.これらの課題を解決し,わが国の歯車技術と産業の新たな発展に寄与するために,産業界の技術者と大学などの研究者が協力した活動を行うことが効果的である.具体的には,現状分析に基づいた歯車装置の設計・製作方法改善技術の提案,最新技術情報の収集・分析を実施し,歯車装置の使用限界向上と用途拡大を目的とした分科会を設置する.
 上記の目的を達成するために運営委員会を設置して以下に示す研究を行うとともに,参加会社全員が出席する全体分科会を年4回程度企画・実施し,歯車装置の開発・設計および使用の現場に役立つ情報を提供して行く.
 なお,研究者側運営委員は歯車装置関連の技術研究・開発を推進している主要な大学(東北大,東京工業大,早稲田大,京都大,京都工繊大,岡山大,岡山理科大,鳥取大,広島大,九州大,佐賀大)および主要な企業(トヨタ自動車,日産自動車,マツダ,コマツ,日立製作所,石川島播磨重工,川崎重工,住友重機,三菱重工,出光興産,大岡技研 他)で構成する.

[上期 第1年度(2007年4月〜2008年3月)]
@調査研究の実施
 1)歯車装置の使用限界向上手法と事例に関する調査研究
    限界向上手法の調査,耐久性加速試験方法の調査,事例収集
 2)歯車および歯車装置の用途拡大技術の調査研究
    未踏用途領域,新環境対応の歯車ニーズ調査,技術課題抽出
 3)歯車設計・製造に関する最新技術の情報収集と分析
    国際会議論文抄録集作成,先端歯車研究論文調査
A全体分科会の開催
 1)上記の調査研究活動で得られた技術情報の提供
 2)見学会,情報交換会の実施

[下期 第2年度(2008年4月〜2009年3月)]
@調査研究の実施
 1)歯車装置の使用限界向上手法と事例に関する調査研究
    調査した限界向上手法,耐久性加速試験方法の評価
 2)歯車および歯車装置の用途拡大技術の調査研究
    未踏領域,環境対応の歯車ニーズ,技術課題克服策とりまとめ
 3)歯車設計・製造に関する最新技術の情報収集と分析
    国際会議論文抄録集作成,歯車技術構築に繋がった論文調査
A全体分科会の開催
 1)第1年度内容に加えて,調査研究中間報告会,最終成果報告会実施
 2)見学会,情報交換会の実施

5. 期待される研究成果 
 歯車装置の真の競争力強化は,トラブルを未然に防止し,使用限界を向上させる新技術の投入によって実現できる.また歯車機構を活用した新機能を製品に付与することにより,新たな製品の開発と競争力の向上につながる.そこで,歯車メカニズムの理解に基づいて歯車の新機能創出策を抽出する.また並行して機能の一部である信頼性向上につながる使用限界向上策とトラブル未然防止策の提案を行う.更に広く動力伝達装置の最先端技術を分析し,使用限界向上につながる技術の実験検証を行って歯車装置への適用の見通しを明らかして行く.これらの作業を通して,歯車機能応用製品や歯車装置の小型軽量化,高信頼性化,高静粛性化を可能とし,分科会参加会社の競争力強化に寄与する.
 一方,上記の技術課題は機械産業の発展に対する貴重な問題提起を含み,その解決アプローチは分科会参加会社特有の課題への発展的活用を可能とする.

6. 参加負担金 年額25万円 
7. 問合せ先 分科会主査: 松本 將
 早稲田大学 大学院情報生産システム研究科
 〒808‐0135 北九州市若松区ひびきの2‐7
 TEL:093-692-5154  FAX:093-692-5154
 E-mail: su_matsumoto@waseda.jp


 


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