1. 分科会名称 |
『次世代エレクトロニクス実装における信頼性設計と熱制御に関する研究分科会』
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2. 主査名 |
于 強 (横浜国立大学 大学院工学研究院 助教授) |
3. 設置期間 |
2004年4月〜2006年3月(2年間) |
4. 活動目的・内容 |
システムインパッ
ケージなどに代表される次世代実装技術の開発に伴い,電子デバイスはますます高密度化,高集積化,複合化と携帯化している.これに伴い,デバイス内部配
線,積層膜,マイクロ接合などの強度信頼性が新しい発展における重要なキーテクノロジーとして認識されつつある.また,環境問題の対応策として開発された
鉛フリーはんだなどの新材料の実用化に伴ってこれまでと異なる信頼性問題が発生している.さらに燃料電池,ハイブリッド自動車における実装部品の使用量の
増加などによって電子機器はより一層厳しい使用環境に晒される。このような観点から電子実装における熱制御技術の高度化も求まれている.また,表面実装か
ら3次元実装技術への移行に伴って,これまで独立して評価及び設計を行ってきた電気,電磁,熱,及び信頼性の諸問題においてバランスを考慮しあって総合的
に設計する技術も重要な課題として浮かび上がっている.このような電子デバイス,実装技術の新しい動向に対応するために本研究分科会を設置し,次世代エレ
クトロニクス実装における信頼性設計と熱制御に関する基本技術を開発する.すなわち,鉛フリーとACFといった環境調和型の接合方法の信頼性,3次元実装
における新しい接合形態の信頼性,及び携帯端末機器の落下衝撃などの動的負荷条件などにおける実用的な信頼性評価手法を開発するとともに,上流設計段階に
おける信頼性設計の基本的な方法論を確立する.また,電子実装の熱制御・設計に関してはこれまで検討してきたビルトアップアプローチに基づいて現場の技術
者に役に立つ合理的な設計手法を構築する.さらに,このような技術課題の解決によって,信頼性評価・設計における基準化についても取り組む.以上が本研究
分科会の設置目的である. そして,上記目的を達成するため,本研究分科会においては次のような具体的な内容を実施することを計画している.
【上期 第1年度(2006年4月〜2007年3月)】
(1) 結晶構造およびマイクロ欠陥を考慮したマイクロはんだ接合部の疲労信頼性評価手法を確立する.
(2) 接合界面構造を考慮した異種材接合構造の信頼性評価技術を検討する.
(3) 多軸応力を受けるマイクロはんだ接合部などの疲労寿命評価手法を確立する.
(4) 鉛フリーはんだメッキにおけるウィスカー発生メカニズムを解明する.
(5) 部品内蔵基板に実装された高周波回路に及ぼす熱応力の影響に関する調査研究
(6) 電子部品内部の三次元接合角部からのはく離の定量的な評価手法を確立する.
(7) マイクロ接合構造のひずみ計測方法の調査研究
(8) 実装部品における非破壊検査方法の調査研究
(9) 落下衝撃負荷を受ける電子部品の接合信頼性の評価手法を確立する.
(10) 基板に内蔵する能動部品の回路特性に対する熱応力の影響の評価手法を確立する.
(11) ビルトアップアプローチによる熱設計の応用に関する調査研究
(12) 電子機器冷却ファン性能の計測方法の確立と解析手法での扱い方の調査研究
(13) モデル筐体による筐体内の流れの温度に関する評価手法を確立する.
【下期 第2年度(2007年4月〜2008年3月)】
(1) マイクロはんだ接合部の非線形材料特性の計測手法を確立する.
(2) 鉛フリーはんだのマイクロ構造の非線形材料特性データベースを構築する.
(3) 多軸応力を受ける鉛フリーはんだ接合部の疲労寿命のデータベースを構築する.
(4) 鉛フリーはんだメッキにおけるウィスカー発生の定量評価手法を確立する.
(5) 異方性導電樹脂,樹脂のはく離を定量的に評価し,はく離防止設計手法を確立する.
(6) 設計要因同士の交互作用を考慮した上流設計段階におけるマイクロ接合部の疲労信頼性設計手法を検討する.
(7) デジタル相関法を用いたマイクロ接合構造のひずみ計測方法を確立する.
(8) 電気・電磁・熱・信頼性などの諸問題における統合設計支援手法の検討を行う.
(9) 実装部品における非破壊検査方法を確立する.
(10) 上流設計のためのマイクロ接合信頼性のデータベースを構築する.
(11) 熱設計における解析事例の収集とデータベース化を行う.
(12) 電子機器熱解析のための解析手法の事例と実験データ集をまとめる.
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5. 期待される研究成果 |
本研究分科会の研究目的を達成することによって以下のような工学的および工業的
な成果が期待できる。
工学的効果:(1)多軸応力負荷を受けるマイクロ接合部の信頼性評価技術の確立,(2)鉛フリーはんだのメッキにおけるウィスカーの発生メカニズムの解
明,(3)マイクロ構造のひずみ計測技術,非破壊計測技術の確立,(4)電子デバイスの内部配線,薄膜などのはく離信頼性評価技術の確立,(5)電気特性
に対する応力の影響に関する評価方法の確立,(6)マイクロ接合部の疲労信頼性・衝撃信頼性評価と設計における信頼性設計手法の確立,(7)BUAによる
熱設計手法の確立, (8)電気,電磁,回路,熱及び信頼性の設計を統合的に行う手法の検討
工業的効果:本研究会の研究成果は,評価手法,設計手法,ソフトウエアおよびデータベースとして企業側委員に還元され,これらが実際のエレクトロニクス実
装現場において広く使用されることが期待される.さらに,一部の成果は業界団体の規格設定の基礎データとなることが期待される.
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6. 参加負担金 |
50万円(年間) × 2年
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7. 問合せ先 |
分科会主査
于 強
横浜国立大学大学院工学研究院システムの創生部門システムのデザイン分野
〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-5
TEL:045-339-3862 FAX:045-331-6593
E-mail:qiang@swan.me.ynu.ac.jp |