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RC225


 
1. 分科会名称

『マイクロ・ナノフルイズに関する調査研究分科会』

2. 主査名 塚本 寛  (九州工業大学 大学院生命体工学研究科 教授)
3. 設置期間 2006年4月〜2008年3月(2年間)
4. 活動目的・内容

分科会設置の目的
  近年、手の平サイズのプラットフォーム上に様々な流体デバイスを集積して一連の生化学分析を実現するマイクロTAS(Micro Total Analysis System)やLab-on-a-Chipと呼ばれる微小な生化学分析チップの開発に注目が集まっている。この実現には,マイクロポンプ,マイクロリア クタ,マイクロ流路など、様々なマイクロ流体要素が必要であり、ナノリットルレベルの微少溶液を効率よく移動・混合・停止させるなどの溶液操作技術がキー テクノロジーとなるが、激しい開発競争の中、製品開発が流動現象の解明に先行している感がある。マイクロフルイディクス技術を更なる微細化によってマイク ロシステムやマイクロプラントへと発展させるには、基礎的な物理現象の理解に基づいたマイクロ・ナノフルイディクス技術の構築を目的とする産業界と研究者 の相互交流が不可欠である。
 本分科会は、流動現象に関する実験的手法や解析的手法に精通した研究者を結集し、お互いの研究を補完し合い、微小流体運動制御技術の一層の進展を図るこ とを目的としている。進歩の著しいマイクロPIVによるマイクロチャンネル内流動現象の計測データや解析結果の蓄積、各種センサやマイクロ流体要素の特性 比較によって、マイクロフルイディックスの問題点を明らかにする。さらに、マイクロ・ナノフルイディクス技術を基礎とするマイクロシステムやマイクロプラ ントへの発展を図ると共に、これらの活動を通して、今後のこの方面の方向性を明らかにしていく。

活動計画の概要
 以下の活動を行うと共に、参加会社全員が出席する分科会を年4回程度開催する。

【上期/第1年度(2006年4月〜2007年3月)】
(1) 国内外で行われてきた実験、解析データについての報告を収集分析する。
(2) マイクロPIV、流体センサ、マイクロポンプ、マイクロリアクタなどの研究サブグループを設け、各分野における問題抽出や体系化を行う。
(3) 各分野において抽出された問題点を持ち寄り、それらを基に個別研究を進める。
(4) 各サブグループ毎に得られた成果を主体とした全体会議を年6回開催し、話題提供、各サブグループの活動状況報告、検討、意見交換を行う。
(5) 各サブグループにおける研究成果および関連研究をまとめて中間報告書を作成する。

【下期/第2年度(2007年4月〜2008年3月)】
(1) 前年度に引き続き各サブグループ毎に個別研究を進める。
(2) 各サブグループにおいて検討および得られた成果について、全体会議にてその評価を行い、妥当性や新たな問題点を明確にする。
(3) 全体会議での検証・評価の結果に基づき、今後の研究の方向付けを提言する。
(4)研究の成果および関連の研究をまとめて最終報告書を作成する。

以上を通して、開発・設計の現場に役立つ解析情報を参加会社に提供する。

5. 期待される研究成果

マイクロフルイディクスは、これまでにも壁面マイクロ領域での乱流制御によって 航空機の大幅な抵抗低減が図られるなどその大きな潜在能力を示してきた。近年では、マイクロ領域においては高い圧力・温度制御が比較的容易であることや極 めて大きな電場・磁場を加えることが可能なため、microTASといった生物化学分析分野で大いに利用されており、今後も精度向上、分析時間短縮のた め、研究開発が積極的に行われるものと思われる。その技術革新が歴史の比較的浅い生物化学分析技術の向上に直接寄与するため、工学的・工業的波及効果は極 めて大きい。また、マイクロフルイディクスは要素技術であるので、その応用先も広く、高密度集積回路の冷却、小型医用機器といった次世代技術への応用も考 えられる。このような実務上の問題を扱う研究には特に産学の協力が重要である。

6. 参加負担金 30万円(年間) × 2年     
7. 問合せ先 分科会主査
塚本 寛   九州工業大学 大学院生命体工学研究科
〒808-0196 北九州市若松区ひびきの2-4
TEL: 093-695-6027 FAX: 093-695-6037 E-mail: tsukamoto@life.kyutech.ac.jp


 


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