研究分科会へ

RC218


 
1. 分科会名称

  『歯車装置の使用限界向上とトラブル未然防止のための設計・製造技術調査研究分科会』

2. 主査名   松本 將(早稲田大学大学院 教授)
3. 設置期間   2005年4月〜2007年3月までの2年間
4. 活動目的・内容

 運動と力の伝達は全ての機械に必須の機能であり、製造業の中心にある機械工業では、いくつもの動力伝達装置が提案され、使用されてきている。その中で、歯車装置は信頼性、効率、負荷容量の大きさなどの多くの点で他の伝動装置に優っている。さらに歯車装置の競争力を高めるための新たな使用限界向上策が必要となっている。しかし多くの企業では、歯車あるいは歯車装置の予期せぬトラブル発生と対策が日常化している。
 歯車関連産業発展のためには、歯車以外の伝動装置の特徴や長所を凌駕する方策の開発が必須である。駆動機と作業機間の力(トルク)や回転数のマッチングを行う歯車装置は、その装置を用いる両機に最適な機能を発揮させるとともに、機械全体としての競争力向上に寄与していかなければならない。この視点から歯車装置の負荷能力、効率、高信頼性、小型軽量化、高静粛性、環境対応性などを低コストで実現する目標を継続して維持する必要がある。この課題の解決なくして、日本の歯車産業の将来は厳しい。
 以上の背景と社会的必要性の下、日本の歯車技術と産業の新たな発展に寄与するため、産業界の技術者と大学などの研究者が協力した活動を行うことが効果的である。具体的には、動力伝達装置の現状分析に基づいた歯車装置のトラブルシューティング手法の調査研究、歯車装置の使用限界向上に寄与する先端的設計・加工・材料技術の提案、歯車設計・製造に関する最新技術の情報収集と分析、歯車技術マップの作成などを実施し、動力伝達装置の高度化と実用限界の把握を目的とした分科会を設置する。

期待される研究成果
 歯車装置の真の競争力強化は、トラブルを未然に防止し、使用限界を向上させる新技術の投入によって実現できる。そこで、歯車の損傷発生メカニズムの理解に基づいて歯車のトラブルシューティング手順を明確化し、類似のトラブル未然防止につなげる。更に広く動力伝達装置の最先端技術を分析し、使用限界向上につながる技術の実験検証を行って歯車装置への適用の見通しを明らかして行く。これらの作業を通して、歯車装置の小型軽量化、高信頼性化、高静粛性化を可能とし、分科会参加会社の競争力強化に寄与する。
 一方、上記の技術課題は機械産業の発展に対する貴重な問題提起を含み、その解決へのアプローチは分科会参加会社特有の課題への発展的活用を可能とする。

活動計画の概要
 運営委員会を設置して以下の研究を行うとともに、参加会社全員が出席する全体分科会を年4回程度企画する。

 第1年度
・調査研究の実施
(1)歯車装置のトラブルシューティング手法と事例に関する調査研究
 手法の調査と事例収集
(2)歯車および歯車装置の使用限界向上技術の調査研究
 向上技術の調査と実験検証技術の抽出と実験検証計画
(3)歯車設計・製造に関する最新技術の情報収集と分析
 国際会議論文抄録集作成
 歯車技術者マップデータの収集と整理

 ・全体分科会の開催
(1) 上記の調査研究活動で得られた技術情報の提供
調査研究の中間報告会を実施
(2) 歯車の最新技術情報の提供と動向の分析
(3) 見学会、技術相談、情報交換会の実施

 第2年度
・調査研究の実施
(1) 歯車装置のトラブルシューティング手法と事例に関する調査研究
トラブルシューティング事例分析と手法取りまとめ
(2) 歯車および歯車装置の使用限界向上技術の調査研究
  使用限界向上技術の効果検証実験実施と結果取りまとめ
(3) 歯車設計・製造に関する最新技術の情報収集と分析
国際会議論文抄録集作成
歯車技術者マップの作成

 ・全体分科会の開催
(1) 第1年度の内容に加えて、第2年度では調査研究の中間報告、最終成果報告を行う。
(2) 歯車の最新技術情報の提供と動向の分析
(3) 見学会、技術相談、情報交換会の実施

5. 参加負担金   25万円(年間)     ×2年     
6. 問合せ先   松本 將   
  早稲田大学大学院情報生産システム研究科
    〒808-0135 北九州市若松区ひびきの2-7
    TEL: 093-692-5154   FAX: 093-692-5154
        E-mail: su_matsumoto@waseda.jp


 



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