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1. 分科会名称 | 『マイクロ・ナノフルイディクスに関する調査研究分科会』 |
2. 主査名 |
塚本 寛 |
3. 設置期間 | 2004年4月〜2006年3月までの2年間 |
4. 活動目的・内容 | 近
年、手の平サイズのプラットフォーム上に様々な流体デバイスを集積して一連の生化学分析を実現するマイクロTAS(Micro Total
Analysis
System)やLab-on-a-Chipと呼ばれる微小な生化学分析チップの開発に注目が集まっている。この実現には,マイクロポンプ,マイクロリア
クタ,マイクロ流路など、様々なマイクロ流体要素が必要であり、ナノリットルレベルの微少溶液を効率よく移動・混合・停止させるなどの溶液操作技術がキー
テクノロジーとなる。激しい開発競争の中、製品開発が流動現象の解明に先行している感があり、マイクロフルイディクス技術を更なる微細化によってマイクロ
システムやマイクロプラントへと発展させるには、基礎的な物理現象の理解に基づいたマイクロ・ナノフルイディクス技術の構築を目的とする産業界と研究者の
相互交流が不可欠である。 本分科会は、流動現象に関する実験的手法や解析的手法に精通した研究者を結集し、お互いの研究を補完し合い、微小流体運動制御技術の一層の進展を図るこ とを目的としている。進歩の著しいマイクロPIVによるマイクロチャンネル内流動現象の計測データや解析結果の蓄積、各種センサやマイクロ流体要素の特性 比較によって、マイクロフルイディックスの問題点を明らかにする。さらに、マイクロ・ナノフルイディクス技術を基礎とするマイクロシステムやマイクロプラ ントへの発展を図ると共に、これらの活動を通して、今後のこの方面の方向性を明らかにしていく。 |
5.期待される研究成果 | マイクロフルイディクスは、これまでにも壁面マイクロ領域での乱流制御によって航空機の大幅な抵抗低減が図られるなどその大きな潜在能力を示してきた。近 年では、マイクロ領域においては高い圧力・温度制御が比較的容易であることや極めて大きな電場・磁場を加えることが可能なため、microTASといった 生物化学分析分野で大いに利用されており、今後も精度向上、分析時間短縮のため、研究開発が積極的に行われるものと思われる。その技術革新が歴史の比較的 浅い生物化学分析技術の向上に直接寄与するため、工学的・工業的波及効果は極めて大きい。また、マイクロフルイディクスは要素技術であるので、その応用先 も広く、高密度集積回路の冷却、小型医用機器といった次世代技術への応用も考えられる。このような実務上の問題を扱う研究には特に産学の協力が重要であ る。 |
6. 参加負担金 | 30万円(年間) ×2年 |
7. 問合せ先 | 塚本 寛 九州工業大学 大学院生命体工学研究科 〒808-0196 北九州市若松区ひびきの2-4 Tel:093-695-6027 Fax:093-695-6037 E-mail:tsukamoto@life.kyutech.ac.jp 渡辺正夫 九州大学 大学院工学研究院機械科学部門 〒812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1 Tel:092-642-3393 Fax:092-641-9744 E-mail: watanabe@mech.kyushu-u.ac.jp |