研究分科会へ

RC211


 
1. 分科会名称

 『ヒトを取り込み活かすモノづくりのための高技能システム化技術に関する

  研究分科会』

2. 主査名

  椹木 哲夫  (京都大学大学院工学研究科)

3. 設置期間   2003年6月〜2005年5月(2年間)
4. 活動目的・内容

  これからの国際社会においては今までにも増して「人間適合性の高いものづくりのための工学」の確立が求められる.そこでは製造業が責任を持つ範囲として,従来のような製品の生産のみでなく,製品の利用や保守,使用状態も含めて製品の状態を把握できるような製品のライフサイクル管理が求められる.さらに現在のモノづくり現場における最大の問題が,ITによっては捕捉し切れない人に化体した技能の蓄積と伝承であり,その技術化である.サービスやメンテナンスにおける問題の発見・対応,変化への対応などを含む経験知の蓄積,製造の過程における「造り込み」に係るプロセス知の蓄積と活用が,メーカの競争の優劣を決するのは明らかである.
 本分科会では,メーカ企業にとって競争力の源泉となる先端技術への配慮と同時に,情報公開によって利用者をとりこんだ生産とサービスの一体化による新しい製造業の創成について考える.さらに日本固有の現場における経験知に傾斜した属人的な暗黙知の一般化と透明化によってそれらの共有を促進し,熟練技能の再利用と再生産を可能にするための研究を遂行する.
(1) ヒトづくりに向けたシステム化技術:技能習熟支援インタフェース設計,社内技能教育訓練や組織作り,セーフティ/リスクマネジメントなどの安全文化
(2) 顧客との良好な関係作りのマーケティング:メーカからの製品の利用様式の明示に対する利用者の適切な製品選択と安全性評価/ユーザビリティ評価
(3) 生産ライフサイクル全般に亘る全体最適性:人的リソースの有効活用の視点からの多目的スケジューリングや離散事象モデリング
(4) 作業者依存型生産にむけた新たな自動化戦略:設計の勘所や信頼性のツボの教示方法や可視化技術,そして現場作業員の能動的な作業改善意欲を活用していくための作業者依存型生産形態やローコスト・オートメーション
(5) 多様性に適応可能なモノづくり:多品種少量生産・リードタイム短縮に向けた新たなスケジューリング戦略
 研究者委員からは,以上の課題に対して適用可能な数々のソフトコンピューティング技法,データマイニング,データウェアハウスなどのシーズの最新動向や,組織事故や安全管理に向けた知識の可視化とネットワーク上での共有と協調を目指すナレッジマネジメント・コラボレーション技術の研究を紹介する.またスケジューリング,機械学習,離散事象シミュレーション,マルチエージェントシステム,進化論的計算手法においても,現実問題への応用や個人毎の選好を反映したパーソナル・カスマイゼーションを指向した方法論について議論し,企業側委員からの実践的ニーズとの融合を探りながらソルーション化まで繋げる産学交流の場とする.

 

5. 参加負担金   参加負担金 40万円(年間)     ×2年  
6. 問合せ先

 

   椹木 哲夫
  京都大学大学院 工学研究科 精密工学専攻
  〒606-8501 京都市左京区吉田本町
  Tel:075-753-5266  Fax:075-753-5233
  E-mail:sawaragi@prec.kyoto-u.ac.jp


 
 



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