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1. 分科会名称 | 『ダンピング材料と制振デバイスの実用化技術に関する研究分科会』 |
2. 主査名 |
鈴木浩平(東京都立大学工学研究科教授) |
3. 設置期間 | 2003年6月〜2005年5月までの2年間 |
4. 活動目的・内容 | 過去6年間に亘って実施してきた新しいダンピング技術の開発に関する調査および試験研究の成果の上に立ち,特に企業側からの要望の強いダンピング材料と制振デバイスへの応用についての視点から,新たにダンピング材料と制振デバイスの実用化を企てる目的での総合的な研究を行います.特に,ダンピング材料の評価法および制振材料の特性を考慮した制振デバイスの最適設計法の確立を目的としています. 振動のダンピング技術の基本的な理論は一応確立されたかに見えますが,現存するダンピング材料の特性を考慮した制振・防振理論は必ずしも確立されているとは言い難い状況にあります. ダンピング材料は高分子系粘弾性材料と制振合金に大別されますが,その力学的・物理的特性や環境依存性に対する表現方法が確立されているものは線形粘弾性材料のほんの一部にすぎません.充てん剤配合の高分子系制振材料,制振合金,超塑性材料など多くの非線形性を有する制振材料については,その測定法や測定結果およびその表現方法が明らかにされていません.この点に焦点を当てた研究を推進します. 一方制振・防振技術は機械,航空・宇宙,船舶,建築・土木,自動車,家電,コンピュータ関連など様々な分野でそれぞれ個別の問題を抱えています.ある分野で成功した制振・防振技術は必ずしも別の分野に単純に適用できないということもしばしば起こり,それが問題を個別化しているとも考えられます.この個別化はダンピングデバイスの使用環境や,入力条件にあります.各分野における各種ダンピングデバイスの使用環境・入力条件を調査・整理することは,ダンピングデバイスの設計・製作において重要な課題の一つです. 材料に関する知見と各種ダンピングデバイスの使用環境・入力条件の調査・整理を通して,最適設計法の確立と設計指針の提案を目指して研究を進めていきます. この研究分科会では企業委員による問題提起とそれに対する研究者委員の研究・開発の実施を通して産学間の交流を促進します。 具体的には,各分野におけるダンピングデバイスの使用環境・入力条件を調査・整理し,次の諸課題 (1) 粘弾性材料(VEM),制振合金,超塑性材料等のダンピング特性を材料試験とモデル化により実用化の視点から再整理. (2) 各種制振デバイスに要求される上記のダンピング材料の制振特性評価法の確立. (3) 各種ダンピング材料を活用した制振デバイスの最適設計法の研究. (4) 本分科会の提案による評価法,設計法をベースに,制振デバイス・ダンパーの設計指針の提案を行い,近い将来でのJSME規格化. を実施することによって,各種ダンピング材料の特性評価法および制振デバイスの最適設計法が確立され,制振デバイスの設計指針の明確化が期待されます. |
5. 参加負担金 | 30万円(年間) ×2年 |
6. 問合せ先 |
分科会幹事 佐藤美洋 |