No.14-66 イブニングセミナー(第174回)
医療を産業ととらえた時の産業界の課題
‐スイス製同時5軸マシニングセンターを設置して思うこと‐

U R L http://www.jsme.or.jp/tsd/
(技術と社会部門 企画)


開催日 2014年7月30日(水)18.00~20.00

会 場 明治大学理工学部駿河台キャンパス
(グローバルフロント・グローバルホール)

東京都千代田区神田駿河台1-1/電話(03)3296-4545
JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線/御茶ノ水駅 下車徒歩3分

明治大学キャンパス案内図
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
趣 旨 技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も,社会との深い関わりの中にあることは明らかである.われわれが新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.

テーマおよび講師  近年日本の製造業の国際社会における競争力の低下が問題視されている。また為替変動による生産拠点の海外移転にともない国内製造拠点の医療への転用がおこなわれようとしている。

  私は父からは手で鉄を加工し医療器具にすることを教わり、また自らは国産の汎用機からNC工作機械で難削材を削る方法をさぐり、現在ではCNCによるチタン合金の同時5軸制御複合加工機を使ったFF加工に取り組んでいる。

  日本で医療器具を製造する場合まず材料探しから始まり工作機械探しに至る。
  現在、高山医療機械製作所では6Al-4Vaチタン合金,純チタン,析出硬化ステンレスのCustom465Ⓡ,SUS 630。Co-Cr 合金,SUS420J2,CAN(高硬度Cr-Ni合金)それに生体適合材の樹脂である PEEK 、と使っている材料は様々であり、そのための最適の加工条件も異なる。

加工ではスイス型自動旋盤、ガンドリル、NCフライス、汎用フライス、汎用旋盤,同時5軸複合加工マシニングセンター、レーザー溶接機、レーザーマーカー、研磨機、グラインダー、ベンダー、鑢、と様々である。
これらの大部分が海外調達である。

  同時5軸制御複合加工機は医療器の生産設備として有用性が高い。これは近年生体への低侵襲を考慮して全てのコーナーにR付けを施すことがドクターから求められる。特に皮膚に近い表層下に設置しなければならないインプラント類ではなおさらである。その場合機械の追従性はもとより切刃が確実に高速加工時に被作物を切削することが求められる。また、仕上がりにおいては図面寸法はもとより指でさわって痛くないとかビビリの面がない切削面の仕上がりが求められる。このようなことから同時5軸機であっても従来のボールねじ機では限界がある。またインプラントは生体内に入るが故の複雑な3次元形状で設計され初期段階での多量の重切削能力を必要とし且つ小径のツールを使う場合には当然ながら高回転が必要になる。さらに国産機では6面加工時に2次加工が発生し段取り替えや治具の作成またそれにかかる人件費などコスト上昇圧力が働く。

  高山医療機械製作所の取り組みとして全軸リニア駆動、30000回転スピンドルを持つスイス製bumotec s191を導入することでこれらの切削時の全ての問題と6面加工すなわち3次元加工の全行程を機内で行い自動での機外搬出も可能となった。
3次元加工は現在の北米市場での動向を見た時にどこにアドバンテージがあり何を持って取り組むかが課題になる。
その場合我々が医療へのサポートインダストリーとしてどのような技術者を育成しなければならないかかが重要になってくる。
医療をサービス産業ととらえた場合サポートインダストリーに求められるのがJust In Timeである。
少量多品種を製造していくなかで、効果的なISO13485およびISO9001の運用が必要になってくる。
これらは全て現在の医療機関側からわれわれサポートインダストリーが求められるすべてである。
日本の技術者をグローバルに適合させる課題が数多く存在する。
国民に最良の医療を提供する努力を怠らない日本の外科医を支え続けるために私たちが求められることまた物を作る私たちが求めることそれが現在の日本で起こっている事象が日々の業務の中で見えてくる。

講師:高山隆志(高山医療機械製作所社長)

【参加費】 正員 1000円(学生員 無料) 会員外 1500円(一般学生 500円)
当日会場にて受け付けます.

【申込方法】 「No. 14-66 イブニングセミナー(第174回)申し込み」と題記し

(1)会員資格(会員番号),(2)氏名,(3)勤務先・所属,(4)連絡先(郵便番号・住所・電話番号・E-mailアドレス)を明記の上,E-mailまたはFAXにて下記までお申し込みください.

【申込先】 日本機械学会(担当職員 曽根原雅代)E-mail: sonehara@jsme.or.jp ,FAX (03)5360-3508

<懇親会> 大学近くの「パブレストラン アミ」にて,講師を囲んで懇親会を行います.
会費 3 000円程度

【問合せ先】 日機装技術研究所 小西義昭/電話(042)392-3087 E-mail:y.konishi@nikkiso.co.jp/
明治大学 村田良美/電話(044)934-7350 E-mail:murata@isc.meiji.ac.jp

次回予定 2014年8月27日(水)18.00~20.00



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