第98期熱工学部門長 東京大学大学院工学系研究科 機械工学専攻 教授 鈴木 雄二 |
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2020年4月1日 | 2020年4月より第98期の熱工学部門長を仰せつかりました,東京大学大学院工学系研究科の鈴木雄二と申します.部門長就任にあたり,ひと言ご挨拶申し上げます. いうまでもなく,新型コロナウィルス(Covid-19)感染症の拡大によって,世界的に社会,経済が大きなダメージを受けており,部門の皆様にも直接的,間接的に影響が大きいものと拝察致します.謹んでお見舞い申し上げます.緊急事態宣言は東京などを最後に5月25日に解除されましたが,長期化も容易に予想され,「withコロナ」の新時代をどのように生き抜いていくかは誰にとっても悩ましい課題です.熱工学部門として,あるいは日本機械学会としてこのような新しい社会に貢献できることは必ずある筈ですので,皆様と議論しながら具体策を考えていければと存じます. 熱工学部門は,伝熱,燃焼,熱物性の広範な分野をカバーする部門であり,それぞれの専門学会で活動している技術者・研究者の方々が一堂に会することのできる貴重な場であります.この「熱コミュニティ」にとっては,昨年10月に予定されていた熱工学コンファレンス(名古屋)の台風直撃による中止,6月に予定されていた日本伝熱学会の伝熱シンポジウム(金沢)の中止と続いてしまったことは大きな痛手だと認識しています.皆様が既に経験されていらっしゃるように,オンライン会議は非常に便利であり,既に面識のある遠方あるいは多忙な方との議論は対面よりもずっと円滑に行うことができます.一方で,新しい知り合いを作るのはなかなか難しいですし,「ふらっと立ち話」や「呑みニケーション」の役割はやはり重要と考えられます. ご存じの方も多いかと思いますが,日本機械学会ではこれまで4年間を掛けて新しい部門制の検討を進めてきました.今年度から3年間はその新しい部門制の準備期間と位置づけられています.新部門制の骨子は,活動規模別の部門分類,部門間連携の促進,統廃合についての明記,部門交付金制度の改正などからなります.約5000名の部門登録者を持つ熱工学部門は,「通常部門」として位置づけられますので,直近では大きな影響はありません.しかし,熱工学部門として,他部門・他学会との連携,皆様のアクティビティの支援を積極的に進め,さらに活性化するとともに,部門の将来を皆様と議論していきたいと考えております. このような背景のもと,今年度は下記の様な活動を鋭意進めていく所存です. 1)熱工学コンファレンス2020(札幌)の実施 田部実行委員長(北海道大学)に無理をお願いして,対面での実施が難しい場合,Web開催でも実施できるように検討して頂いております.部門の皆様にとっては2年ぶりの熱工学コンファレンスとなりますので,是非奮ってご投稿,ご参加頂ければ幸いです! 2)オンラインセミナー・講習会などの実施 インフォメーションメールでお知らせしたように,5月29日に第1回熱工学部門オンラインセミナーを開催し,新潟大学の櫻井篤先生にご講演を頂きました.短期間の準備でしたが60名の参加者があり,有意義な会だったと考えております.第2回は6月12日に京都大学の林潤先生にご講演をお願いしており,以後2週間に一回程度の実施を予定しています.熱工学部門の相変化界面研究会(主査:高田保之先生)でもWeb研究会を月1回実施して頂いており,このようなオンライン企画を積極的に開催します.また,講習会についても,従来の熱工学ワークショップや「熱設計の基礎と応用」講習会だけでなく,新しい時代に相応しい他部門・他学会と連携した企画を実施したいと考えております. 学会活動は部門の皆様のボランティア活動で成り立っており,熱工学部門ももちろん例外ではありません.部門長はもとより,運営委員会や総務委員会メンバーだけで運営ができる訳では到底ありません.是非,部門の皆様方からお一人お一人のフランクなご意見を届けて頂き,あるいはお力を少しだけお借りして,この素晴らしい「熱コミュニティ」をさらに盛り上げていくお手伝いを部門長としてさせて頂ければ幸いです.一年間どうぞよろしくお願い申し上げます. |