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 熱音響現象を使った新しい音響デバイス



琵琶 哲志

名古屋大学 助手

名古屋大学大学院工学研究科

結晶材料工学専攻

biwa@mizu.xtal.nagoya-u.ac.jp

http://amorphous.xtal.nagoya-u.ac.jp/

 





1.
はじめに

 温度勾配のある狭い流路を壁と熱接触しながら音波(振動流)が伝播することで,多様な熱音響現象[1-3] が生じる.狭い流路の一端をある臨界値以上に加熱することで,その流路が音源となって自発的に音波が発生することがある[4].また,温度勾配のある流路に音波を通過させ,その音響強度を熱的に増幅,減衰することも出来る[5,6].一方,音波を使って流路の高温側から低温側への熱輸送を単純な熱伝導に比べて飛躍的に増大することが出来る[7,8] だけでなく,低温側から高温側へ熱をくみ上げることも可能[9-13] である.日常生活で接する音響強度が10-4 W/m2 程度であるので,音波と言うと微小なエネルギーという思い込みがあるかもしれない.しかしながら管内音波では非常に大きな強度の音波が実現出来る.熱音響現象を使って共鳴管の内部に100 kW/m2の音響強度を共鳴管内に発生させた例もある[14].最近では熱音響現象を利用して,ピストンの代わりを音波が担う可動部のないスターリングエンジンやスターリング冷凍機が開発されつつある.これらの音響デバイスは,「スターリングエンジンの革命」[15]と呼ばれる.熱音響現象に基づく新しい熱機関を理解するには,振動流である音波をエネルギー変換やエネルギー輸送の媒体として見直す必要がある.熱音響現象におけるエネルギー流について簡単に紹介した後,著者らのグループで行っている実験的研究の一部を紹介したい.

2. 熱音響現象

 熱音響現象は,流路内を伝播する音波の担う仕事流熱流の間のエネルギー変換の結果として理解される.仕事流はなじみのない用語かもしれないが,音響学の分野で使われる「音響強度」と同じ定義を持つ.熱音響現象を取り扱う文献では,熱流との対比を強調するために音響強度よりもむしろ仕事流という用語が用いられることが多いのでここでもそれに従うことにする.

2.1 熱音響現象の舞台

 熱音響現象の生じる舞台は単純である.基本的な構成を図1に示した.音波が伝播する比較的広い管の中に,熱交換器と蓄熱器がある.熱交換器には2種類あり,その周囲が電気ヒータや火炎などの熱源によって加熱される吸熱用の熱交換器と,空冷や水冷によって冷却される放熱用の熱交換器を一組として使用される.

 蓄熱器には金属メッシュや金属粉を充填して用いることが多いが,薄板を積層したり,ハニカム構造体を使うこともある.我々はメッシュ粗さが #20 から #100 のステンレスメッシュやセラミックスハニカム(日本ガイシ製)を使っている.蓄熱器の流路内で起こる熱交換は,音波の媒体である流体の熱緩和時間 t と角振動数の積で定義される無次元量 wt によって決定される[1].熱緩和時間t は蓄熱器の内部の流路半径rと流体の熱拡散率aを使って  で与えられるので,音波を担う振動流体の熱境界層の厚さ  を使って表すと次のようになる.

                                                                                                                                               (1)

wt >>1であれば,流体は断熱可逆的な運動を行うので,我々の良く知っている断熱音波として取り扱って差し支えない.蓄熱器や熱交換器以外の,比較的広い管の部分での運動がおおよそこの条件に相当する.一方,wt <<1 であれば,流体は瞬時に周囲の壁と熱交換出来るので,常に等温可逆的に熱交換しながら運動することになる.熱境界層に流路が覆われている結果である. であれば流体は不可逆的な熱交換を周囲の壁と行う.つまり,境界層程度のところの流体は等温的に運動し,中心では断熱的であるが,両者を結ぶ中間領域では不可逆過程である熱伝導が支配的である.この熱伝導に由来する有限な緩和時間 t のせいで,流路を形成する固体壁と振動流体の間の熱交換は不十分になり,流路断面内の正味の熱交換過程に時間遅れ(位相遅れ)が生じる.熱音響現象でもっぱら登場するのは wt 0.1 から 10 程度の蓄熱器である.

 適当な長さの管に一対の熱交換器と蓄熱器を挿入し,一方の熱交換器を加熱し,他方を冷却する.蓄熱器の wt をうまく選べば,両端の温度差が200 程度で大きな音を発生させることが出来る.これが熱音響自励振動である.自励振動では高温から低温へ向けて流れる熱流があるが,音波を使って低温から高温への熱輸送を可能とするのが冷凍機である.周波数こそ随分違うがスターリング冷凍機やパルス管冷凍機(それぞれ1 Hz程度)も振動流によって冷却を行う熱音響冷凍機と見なす事が出来る.圧縮機やスピーカを使う代わりに自励振動により発生した音波を使って,他の蓄熱器で冷却を起こせば,一方の蓄熱器を加熱することで他方の蓄熱器で冷凍が生じるような全く可動のない冷凍機も実現する[9, 10].このような熱音響現象は温度勾配のある蓄熱器の中で起こる仕事流と熱流の間のエネルギー変換の結



図1 熱音響現象の起きる舞台.狭い流路の中で振動流体が往復運動する結果,熱流と仕事流が生じる.


2.2 音波によるエネルギー流

 図1に示すような流路を圧力変動を受けながら往復運動する単位質量の流体要素を考える[1].一般には粘性のため断面内には流速分布が生じるが,これを断面内で平均化した断面平均流速を とし,圧力を  とする.流速U  と変形し,圧力と同位相成分()を流速の進行波成分90度だけずれた成分()を定在波成分と呼ぶ.これは我々の良く知っている純粋な進行波()と純粋な定在波()でのこれら振動量の位相関係に基づく命名である.また特に圧力と流速が同位相の時,これを進行波位相と呼び,また90度の時は定在波位相と呼ぶ.流体の圧力と流速の間の位相差という局所的な量に着目することで,流体要素が実行するエネルギー変換がずいぶん理解しやすくなる[1,16-18]

振動流体によるエネルギー流は,次のように定義される仕事流Iと熱流Qの和で与えられる.

                                                                                                                (2)

ここで,S は平均密度,平均温度,エントロピー変化である.また記号  は内部の量の時間平均を取る操作を表す.熱流Qと表されることから明らかなように,流体要素が断熱変化()しか経験しないならば,熱流はゼロである.固体壁との熱交換によって振動流体にエントロピー変化が生じて初めて軸方向の熱流が可能になる.この振動による一方向へのエントロピー輸送,熱輸送はバケツリレーに例えられる[16]仕事流は時間平均を実行することにより, と変形できる.つまり仕事流に関与するのは進行波成分()のみである.またと変形し断面積をかけると,ピストンがシリンダー内を変位する際のいわゆるP-V仕事の表式とも等しくなることにも注目してほしい.仕事流は音波によって運ばれる力学的エネルギーを表している.

 次にこれらエネルギー流の軸方向の分布を示す.熱交換器以外の空間では系は管の外と断熱されているので,エネルギー保存則は全エネルギー流が空間的に変化しないことを要請する.つまり,

                                                                                                                                                (3)

である.ここでは軸方向に関する微分を表す.式(3)は仕事流と熱流でエネルギー変換が行われていることを意味する.図2には原動機 (a) と冷凍機 (b) について蓄熱器内部におけるエネルギー流の分布の一例を模式的に示した.低温から高温へ向けて横軸をとり,縦軸には軸方向へのエネルギー流を正に,反対方向への流れを負にして図示している.まず原動機の場合に注目してほしい.右側の高温熱交換器が熱の流入口となっていて,蓄熱器を高温側から低温側へと流れた熱流が低温熱交換器から排出されている.蓄熱器,熱交換器以外の広い管の部分は wt が十分に大きくて断熱的なため,熱流は存在しないし,エネルギー変換も生じない.蓄熱器内部での熱流の変化量がエネルギー変換に費やされた熱流である.仕事流は蓄熱器を低温側から高温側へと流れるが,式(3) を積分して分かるように  だけその大きさが増加している.つまり蓄熱器高温端と低温端における仕事流の差 DI がこの原動機の出力仕事を表す.原動機の効率 h は出力仕事と入力熱量の比で与えられる.上限は言うまでもなくカルノー効率であり,一般には効率はカルノー効率よりも低い.これは蓄熱器内部での熱交換の不可逆性や,粘性散逸に起因する.

 冷凍機の場合には高温側から低温側へ向かう仕事流によって,低温側から高温側へ向けて熱流が生じている.低温側での流入熱量が冷凍機の冷凍出力であり,効率は投入仕事 DIを用いて  で与えられる.熱音響エネルギー変換の効率として,およそ30 % という値が報告されている[14].これは既存の内燃機関やスターリングエンジンに比較してなんら遜色のない数字である.このような高効率のエネルギー変換はどのようにして達成されるのだろうか.実験データとともに紹介したい.





3. 熱音響現象の具体例

3.1 実験手法

 熱音響現象を調べる上で音場を詳細に調べることは重要である.先に出てきた圧力,流速および変位に加えて,密度や温度など様々な物理量が角振動数 w で振動している.振動量の計測では,振幅だけでなく位相もまた決定する必要があるために,単一の物理量が測定出来るだけでは不十分で同時計測する必要が出てくる.我々は文献[4,19]にあるような方法で圧力センサーを使った圧力測定とレーザードップラー流速計を使った流速測定とを同時に行い,音場を調べている.

3.2 枝管付きループ冷凍機

 図3は蓄熱器を備えたループ管(内径4 cm)とバッファータンクにつながれた共鳴管(内径4 cm)から成る熱音響エンジンの概略図である.ループ部の平均周長は118 cm,共鳴管は104 cmである.内部には作業気体として大気圧の空気が充填されている.#40のステンレスメッシュを4 cm積層した蓄熱器は二つの熱交換器によって挟み込まれている.図3中,下側にある熱交換器を電気ヒータで加熱し(高温熱交換器),他方は冷却水で常に室温に保った.高温熱交換器から蓄熱器に流入する熱量を増加することで最大で平均圧の10 % に達するような大圧力振幅の音波が周波数40 Hzで発生することが分かった.このような装置において,圧力と流速の同時計測を行った.

 実験結果から圧力振幅,流速振幅の分布を図示したところ,タンクとの接続箇所を開放端とし,ループ内部に閉端が存在するような1/4波長共鳴の分布に似ていることが分かった.蓄熱器の低温端はちょうど流速の節近くに位置していた.図4はループ部分の圧力と流速の間の位相差(a) と仕事流(b) の分布を示している.ここで仕事流は管の断面積をかけた値で示している.仕事流は正の値を示しているので,ループ管内を反時計方向に周回し,蓄熱器を低温から高温に流れていることが分かる.仕事流が蓄熱器で増幅されていることが明瞭に分かるが,増加分が熱音響エネルギー変換の結果生じた出力仕事DIである.蓄熱器以外の部分では仕事流は負の勾配を持つが,これは流体の振動運動に由来するエネルギー散逸を意味する.このエンジンの出力仕事DIは管内の音場を維持するのに使われているのである.

 先に述べたように,蓄熱機内でどのようにしてエネルギー変換が実行されているかを見るには,蓄熱器内部の流体要素に着目すると分かりやすい.図5に流体の圧力を縦軸に,横軸にその変位をとって,圧力と流速が同位相の進行波位相の場合の流体要素の軌跡を示した.実験データと合うように図の左側に低温部,右側に高温部をとった.流体要素の軌跡は時計方向の楕円を描いているが,この面積が仕事流の大きさを,そして周回方向が仕事流の向きを表す.流体要素が蓄熱器内部で等温的な熱交換を行うことを念頭において,1周期の間にどのような熱力学的過程が実行されるかを見てみる.(a-b) の過程では,圧力が増加するので「圧縮」の過程である.(b-c) では圧力は大きくは変化しない代わりに,変位が大きい.温度勾配の中を変位するので,この過程は「加熱」に相当する.(c-d) は「膨張」の過程であり,(d-a) は「冷却」である.従って流体要素は1周期の間に等温可逆的に圧縮—加熱—膨張—冷却という熱力学的サイクルを経験することになる.実はこのサイクルはスターリングサイクルと同様の過程である[20].スターリングエンジンでは対抗する2つのピストンをうまく同期して動作させて熱力学的サイクルを実行するが,図3の装置においてはピストンの代わりに音波が熱力学的サイクルを実行する.スターリングサイクルと同様の熱力学的サイクルに基づくので,これら熱音響スターリングエンジンでスターリングエンジンと同様の30 % 程度の効率が実現してもなんら不思議はない[14].実験データでは位相は0度でなく,およそマイナス20度の値をとっている.この物理的な意味や振幅分布については上田の文献[10]に詳しい.

 逆スターリングサイクルを利用したスターリング冷凍機が存在するのと同様に,熱音響スターリング冷凍機の作成も可能である.我々は図3の装置内部にもう一組の熱交換器と蓄熱器のセットをループ内部に挿入した.これだけで室温からおよそ16度の温度低下が得られた.冷凍機の性能を向上させるため,作動気体を大気圧の空気から加圧したヘリウム−アルゴン混合気体に変更したところ,最低温度はマイナス25 にまで達した.可動部を全く持たず,しかもフロンも使用しない新しい冷凍機である.この冷凍機についても上田が最近論文にまとめている[21].これら原動機,冷凍機に関する研究成果をもとにして比較的大型の熱音響スターリング冷凍機を作った.図6に示すような内径が10 cmの管を使った全長が4 mほどの装置である.大型化した結果,冷凍出力に大きな向上が見られた.この装置は工場廃熱を使った冷凍機に応用出来る可能性があるとして,新聞にも掲載された[12,13]し,国内の熱音響現象に関する研究会である自励振動研究会[22]に参加する方々にもご見学頂き興味を持っていただいた.熱音響デバイスには,熱源を選ばないこと,構成が単純なこと,可動部がないこと,フロンを使用しないこと,など多くのメリットがあることがアピールされたと考えている.












図5 進行波位相の流体要素が経験する熱力学的サイクル.定在波位相の場合には軌跡は45度に傾いた線分となる.





図6 大型の熱音響スターリングエンジン.挿入図はこの冷凍機によって作成した氷の様子を示す.


4. 将来へ向けて

 熱音響機器は,構成が単純であってしかも可動部がないので,必然的に安価で長寿命が期待されること,外燃機関であるので熱源を選ばないこと,フロンを使用しないこと,が長所である.これらの長所を生かして米国ではロスアラモス国立研究所が中心となって,天然ガスの液化を目指して研究が行われている[23].天然ガスを燃やして熱音響原動機を動作させ,発生した仕事流によって熱音響冷凍機が天然ガスを冷却,液化する計画である.他にも廃熱や太陽光を熱源とした低温生成技術として熱音響デバイスが利用可能だろう.我々のグループでは音波を熱で増幅することに最近,成功した.音波の伝播している管内に,一端を加熱した蓄熱器を挿入することで,蓄熱器両端の温度比程度の増幅率で仕事流を増幅出来ることが分かった.蓄熱器を挿入する位置や wt をうまく選ぶことで,温度比を超える増幅すら可能なことも田代が学会で報告している[5].蓄熱器を一つだけ有する熱音響機器ではなく,多数の蓄熱器を配管内に備えた音響ネットワークの構築に発展するかもしれない.振動流を使った熱輸送デバイスであるドリームパイプは単純な熱伝導に比べて遥かに大きな実効的熱伝導率を示す.環境温度以下に冷却する必要がない用途では熱音響冷凍機よりむしろドリームパイプ[7,8] が重要になる.熱音響現象を利用した新しい音響デバイスの実用化にあたっては必然的に大振幅音波を取り扱うことになる.衝撃波や音響流を如何に抑制するか[14,24]が重要な問題となるかもしれない.非線形非平衡現象としても物理的に興味深い点が多い[25,26].熱音響現象は国内では1988年以来続いている熱音響自励振動研究会[22]において,大学,研究機関,企業から参加する研究者,技術者の間で活発に議論されている.興味を持たれた方は是非参加していただきたい.

参考文献

1) 富永昭,「熱音響工学の基礎」,内田老鶴圃,東京 (1998) ; A. Tominaga, Cryogenics, 35, 427 (1995).

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3) J. Wheatley, T. Hoffler, G. W. Swift and A. Migliori, Phys. Rev. Lett., 50, 499 (1983) ; J. Acoust. Soc. Am., 74, 153 (1983) ; Am. J. Phys., 53, 147 (1985).

4) T. Yazaki and A. Tominaga, Proc. R. London A, 454, 2113 (1998).

5) 田代雄亮, , 「音波の増幅と減衰」2002年春季低温工学超電導学会,2002519 ;「共鳴管を利用した熱音響スターリングエンジン」2002年秋季低温工学超電導学会, 20021031 ; 「共鳴管を使った熱音響エネルギー変換の実証」2003年春季低温工学超電導学会, 2003522 ; 熱音響効果による音波の増幅,減衰の実証」,日本流体力学会 年会2003, 2003729.

6) G. Petculescu and L. A. Wilen, Acoustic Research Letters Online, 3, 71, (2002).

7) 富永昭, 低温工学, 25, 300 (1990).

8) 小澤守, 坂口忠司, 浜口八朗, 河本明, 市居明彦, 日本機械学会論文集(B), 56, 228 (1990).

9) T. Yazaki, T. Biwa and A. Tominaga, Appl. Phys. Lett., 80, 157 (2002).

10) Y. Ueda, T. Biwa, U. Mizutani and T. Yazaki, Appl. Phys. Lett., 81, 5252 (2002).

11) S. Sunahara, T. Biwa and U. Mizutani, J. Appl. Phys., 92, 6334 (2002).

12) 日刊工業新聞,200325.

13) 朝日新聞,2003219.

14) S. Backhaus and G. W. Swift, Nature, 399, 335 (1999); J. Acoust. Soc. Am. 107, 3148 (2000).

15) 富永昭,パリティ,14, 26-28 (1999).

16) 井上龍夫,低温工学,26, 98 (1991).

17) 矢崎太一,機械の研究,54, 1207(2002).

18) 琵琶哲志,冷凍,77, 240(2002).

19) T. Biwa, Y. Ueda, T. Yazaki and U. Mizutani, Cryogenics, 41, 305 (2001).

20) P. H. Ceperley, J. Acoust. Soc. Am., 66, 1508 (1979).

21) Y. Ueda, T. Biwa, U. Mizutani and T. Yazaki, submitted to J. Acoust. Soc. Am.; Physica B, 329-333, 1600 (2003).

22) http://member.nifty.ne.jp/thermoacoustics/

23) http://www.lanl.gov/mst/engine/econ.html

24) N. Sugimoto, M. Masuda, T. Hashiguchi and T. Doi, J. Acoust. Soc. Am., 110, 2263 (2001).

25) T. Biwa, Y. Ueda, T. Yazaki and U. Mizutani, Europhys. Lett., 60, 363 (2002).

26) T. Yazaki, Phys. Rev. E.,48, 1806 (1993).