第5回熱工学ワークショップ 開催報告 |
第90期熱工学部門幹事
津島 将司(東京工業大学)
今年度の熱工学ワークショップは,神奈川県の湘南国際村センターで平成24年11月3日(土)と4日(日)の二日間にわたり開催されました.
熱工学ワークショップは,熱工学部門の活性化を目的として,平成20年に今回と同じく湘南国際村センターにて第1回が開催されました.
その後,毎年,秋に開催され,熱海市や神戸市六甲山を経て,再び,湘南での開催となりました.
全参加者が合宿形式で一泊二日をともにすごし,熱工学に関連する最新の動向や,普段の学会では聞けないワークショップならではお話を講師の先生方にご披露いただいています.
今年度は,第1部(初日)は産業界,第2部(二日目)は学界から,次のような講師の先生方をお招きいたしました.
@飯山明裕氏(日産自動車(株)):自動車と熱工学−深化・拡大する機械系技術者の研究領域−
A梶信藤氏(日本電産(株)):モーターと熱技術 −世界一からのさらなる挑戦−
B田中茂雄氏(太盛工業(株)):新たな機能性材料としての多孔質金属 −金属粉末射出成形がもたらすブレークスルー−
C丸田薫氏 (東北大学):低エクセルギー損失燃焼とそのインパクト
D長坂雄次氏(慶應義塾大学):熱物性研究 −熱?運動量?物質輸送の理工学に魅せられて−
E鹿園直毅氏(東京大学):熱エネルギー技術 −産と学の視点をふまえた新たな展望−
自動車という完成品から,モーターというモジュール,そして,機能性材料としての多孔質金属,とまさに熱工学がカバーする領域が多岐にわたり,
その上で,様々な課題の解決が熱技術に関連して求められていることが,産業界の皆様からの期待とともにご紹介をいただきました.
いずれも,元気と激励に満ちたお話であり,同日夜の意見交換会でも大いに盛り上がりました.
二日目には,大学の先生方から,これまでの経験と発想や着想の原点,そして,将来展望について,特に若い研究者に向けたご講演をいただきました.
普段聞くことができない多くの失敗談や研究構想の思考プロセス,さらに,研究者としてのターニングポイントや将来への思い,など,刺激にあふれたお話をしていただきました.
行楽シーズンの週末にもかかわらず約40名の方にご参加をいただきました.この場をお借りしてお礼申し上げます.
初日の夜には,恒例の意見交換会を行い,熱工学部門の有する課題なども含めて,参加者が一同に会し,時間も経つのも忘れて議論と懇親を深め,盛会のうちに終えることができました.
講師の先生方には,ご多忙中にもかかわらず新たにご講演資料をご準備いただいた上で,大変,貴重なお話をいただきました.あらためまして深くお礼を申し上げます.
来年度の熱工学ワークショップの開催については,すでに熱工学部門運営委員会で議論をはじめています.期間を熱工学コンファレンスの前々日から一泊二日として,
場所を熱工学コンファレンスの開催地である弘前周辺で開催する,という案もございます.特に博士課程,修士課程の学生さんを含めて,若い研究者の方には,会社,
研究所,大学という組織から離れて,そして世代を超えて,いろいろな方と出会い,知り合うことができる貴重な機会であると思います.是非,これまでにご参加の皆様に加えて,新たなご参加をお待ちしています.
最後に,今年度の開催にあたっては,講師の皆様は勿論のこと,菅原香織様(湘南国際村センター),近久武美先生(熱工学部門長),永井二郎先生(前部門幹事),大通千晴様(日本機械学会熱工学部門担当)
をはじめ多くの方々のご支援とご助力をいただきました.いろいろと至らない点も多々あったかと思いますが,部門活性化という目的とともに,
一参加者としても大変,有意義かつ楽しいワークショップになったと思っています.皆様に心よりお礼を申し上げます.