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Materials and
Mechanics Division Newletter April
2001
MATERIALS
and
MECHANICS
No.24
日本機械学会材料力学部門ニュースレター No. 24 (2001年 4月
30日)ISSN
1340-6620
(C)著作権:2001 日本機械学会 材料力学部門
部門長就任にあたって
第79期部門長
久保司郎(大阪大学)
平成13年4月より幡中部門長の後継として第79期部門長を務めさせていただくことになりました.これまでの流れを引き継ぎ,及ばずながら部門の発展に貢献 する所存ですので,ご協力のほどよろしくお願い申し上げます.
省資源,省エネルギー,技術競争力の確保などの社会的な要請の中,材料力学 分野が支える技術はますます広がるとともに,複雑化し,複そう化しております.
21世紀のはじめにあたり,また取り巻く環境がめざましく変動するこのときこそ,ビジョンを構築していくことは必要不可欠であるものと思われます.このビジョンには,個人レベルのものから,機関・組織レベルのもの,さらにはギルドのような専門家集団レベルのものがそれぞれに必要です.材料力学部門はこのうちの三つ目を担うものであり,材料力学の分野が今後何をなすべきかについて議論する母体になるものと考えられます.ビジョンが受け容れられるためには,情報を発信しアピールしながら,社会的ニーズを探るべく交流を進める必要があることは,次第に共通の認識となってきていることかと思われます.ここ数年間行われてきました地域産業と部門との交流会,今年3月の部門シンポジウム「材料力学の未来:21世紀を生き抜くために」の産官学連携の模索にも,その一端をみることができます.また,本部門の将来構想を議論する第2技術委員会でも,中長期的な課題として,材料力学のロードマップの試作を行っています.学術面の情報発信については,材料力学部門は機械学会論文集A編,およびJSME International
Journal, Ser.
Aに対し大きな責務を負っているといってもよいでしょう.すでに一部お願いしておりますように,これらを育てあげていくことが必要かと思われます.部門としても広報活動を拡充しつつあります.周囲との交流と連携を深めることと,学術研究,技術の先端を究め,情報を公開していくこととは両輪をなしているものとも考えられます.安易な迎合に堕することなく,真に実りのある材料力学分野の連携と発展の実現に向けて,忌憚のない,前向きのご意見,ご提案を賜れれば幸いと存じます.
表1
第79期材料力学部門の委員会
委員会 | 担当 | 委員長 | 幹事 |
部門長 | 久保 司郎(大阪大学) | ||
副部門長 | 大野 信忠(名古屋大学) | ||
幹事 | 小川 武史(青山学院大学) | ||
総務 | 東郷 敬一郎(静岡大学) | 菅田 淳(大阪大学) | |
広報 | 荒居 善雄(埼玉大学) | 三浦 直樹(電力中央研究所) | |
第1技術 | 2001年年次大会 | 服部 修次(福井大学) | 飯井 俊行(福井大学) |
2002年年次大会 | 酒井 信介(東京大学) | 佐々木 哲也(産業安全研究所) | |
第2技術 | 将来構想 | 大野 信忠(名古屋大学 | 小川 武史(青山学院大学) |
第3技術 | 2001年材力講演会 | 小林 道明(北見工業大学) | 藤木 裕行(北見工業大学) |
2002年材力講演会 | 幡中 憲治(山口大学) | 上西 研(山口大学) | |
第4技術 | シンポジウム | 小川 武史(青山学院大学) | 荒居 善雄(埼玉大学) |
第5技術 | 賞 | 中村 春夫(東京工業大学) | 岡崎 正和(東京大学) |
第6技術 | 国際交流 | 北條 正樹(京都大学) | 吉川 暢宏(東京大学) |
CREEP7 | 新田 明人(電力中央研究所) | ||
APCFS'01 | 庄子 哲雄(東北大学) | ||
ATEM'01 | 坂 真澄(東北大学) | ||
Inter PACK0 | 岸本 喜久雄(東京工業大学) | ||
第7技術 | 講習会 | 吉田有一郎(東芝CAEシステムズ(株)) | 吉川 暢宏(東京大学) |
第8技術 | 登録会員 | 桜井 茂雄((株)日立) | 武正 文夫(石川島播磨重工業(株)) |
第9技術 | 年鑑・出版 | 松原 雅昭(群馬大学) | 古藤 広之(三菱重工業(株)) |
積極的な情報交換のために
第79期副部門長 大野信忠(名古屋大学)
平成13年4月より第79期材料力学部門の副部門長を務めさせていただくことになりました。久保部門長を補佐し、材料力学部門の発展のために微力ながら尽力する所存ですので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。材料力学は伝統ある学問分野であり、機械工学における基盤技術への寄与は確固としています。しかし研究対象として見た場合、20世紀後半における主要な研究課題であった有限要素法、破壊力学、巨視的構成則などの体系も大方完成したため、次の牽引車の模索が続いています。もちろん、ミクロ的な方向や境界領域に進めば、魅力的な研究課題は多くあり、実際すでにこのような分野の研究報告が材料力学部門講演会でも増えています。これに対して、企業におけるものづくりのための材料力学の研究者からは、研究の最前線との距離を感じるとの声も聞こえてきます。上述のような状況については、本ニュースレターのNo.20(1998年3月発行)に白鳥(第76期)部門長が忌憚のない意見を述べておられ、第77期より将来構想を議論するための委員会(第2技術委員会)が設けられました。この委員会の委員長は副部門長が兼務することとなっています。第77期には、幡中副部門長のもとでフリーディスカッションから始まり、問題点の抽出が進みました。第78期には、久保副部門長のもとでさらなる議論とともにいくつかの具体策の検討が行われました。この結果、産業界におけるロードマップを材料力学部門所属の会員に示し、研究の方向付けの参考にしていただくこととなりました。このロードマップとは、今後展開されると予測される技術開発のために克服すべき技術課題を時間の関数として示したものです。
独立法人化を控え、大学を取り囲む環境は大きく変化しようとしており、大学での研究成果に対して多様な評価がなされつつあります。もはや単なる論文の数ではなく、社会への寄与が要求されています。このような状況において、上述のロードマップは産業界からの情報として貴重であり、これを有効に活用するためには、各研究者が情報の受信・発信のためのアンテナを高く掲げ、情報交換を積極的に行う必要があります。第79期の将来構想委員会では、これまでの検討結果を踏まえ、積極的な情報交換のために可能な手立てを検討する予定でありますので、皆様からも是非ご提案、ご意見をいただきたく存じます。
第78期部門長退任にあたって
第78期部門長 幡中憲治(山口大学工学部)
20世紀の締めくくりの今期はまさに部門運営にとって転換期でありました。部門協議会では、第二世紀将来構想実施計画委員会の答申の具体的実施策を検討するために策定された支部・部門制度検討委員会の報告書の内容に関する審議が行われました。そして2000年12月1日の部門協議会で成案を得、これは理事会の議を経て来期(第79期)から実施されることになっております。これに関する大方の内容はニュースレターNo.23で紹介させていただいております。
当部門は今期も活発に諸事業を展開して参りました。M&M2000材料力学部門講演会は平成12年10月6日〜9日にかけて横浜国立大学工学部で379件の研究発表と540名の参加者を得て盛会裡に終了しました。そして10月8日に4人の方々に栄ある材料力学部門賞の贈賞が行われました。なお、10月6日には若い方々を対象とした新しい試みとしてチュートリアル“強度設計の基礎と応用”が催されました。
平成12年8月1日〜4日にわたって名城大学天白キャンパスで開催された2000年度年次大会では他部門とのjointのものを含め、17件のorganized
session,2件の基調講演,4件のワークショップおよび1件の新技術開発レポートが企画・開催され活発な討論が展開されました。
2001年が明けて1月22日には機械学会九州支部との合同企画で、恒例となった地域産業・材料力学部門交流会が北九州市で開催されました。午前中の、北九州市が新たに標榜しているリサイクル産業基地としてのeco-townの見学、および午後、北九州地区の産業と材料力学部門との連携の促進に向けた討論会が活発に行われました。来る3月28,29の両日には、今期最後の行事として2001年春のシンポジウム“材料力学の未来:21世紀を生き抜くために”が開催されます。
他に2件の講習会、“設計者のための材料試験法基礎”(平成12年6月21日および22日)および“有限要素法のための材料モデリング”(平成13年2月1日および2日)が開催され、それぞれ大変好評でした。また、現在11の分科会(2)・研究会(9)が活動しております。
今期、材料力学部門が上述しましたような活動を展開でき、また、小生が大過なく部門長の任務を全うできましたのは副部門長の久保司郎先生、幹事の中曽根祐司先生を始めとして広報・総務・各技術委員会の委員長の先生方、運営委員・代議員の方々のご尽力、そして材料力学部門の登録会員の皆様方のご支援・ご協力のお陰であります。ここに記して厚くお礼申し上げます。
ニューミレニアム元年に位置付けられます来期では部門運営にこれまでとは異なる新しい工夫が求められます。部門長・久保司郎先生、副部門長・大野信忠先生のリーダーシップのもと、第二技術委員会で討議されております材料力学ロードマップの作成、産官学連携の一層の促進等々の実現と、良質かつ充実した諸企画を通じて材料力学部門が益々隆盛に向うことを祈念して退任の挨拶に代えさせていただきます。
2001M&M北見へのいざない
2001M&M実行委員会委員長 小林 道明(北見工業大学)
新しい世紀の材力部門講演会の幕開けとなる2001M&Mを自然豊かなオホーツクの地において開催できますことは、誠に時機を得たものとして関係者一同、心より歓迎いたすものであります。20世紀初頭に開拓されました北海道において、我が国最北端の工業大学を有するここ北見市は、近代的地方都市へと発展を遂げながらも周囲を豊かな自然に囲まれた街であります。日本最後の原始の自然をとどめ、環境保護ナショナルトラストの日本発祥の地である知床国立公園をはじめとして、ラムサール条約に基づく湿原と丹頂ツルの保護区である釧路湿原国立公園、神秘の湖摩周湖と謎のマリモを抱く阿寒湖の阿寒国立公園、神々が集い遊ぶ、神々しいまでに雄大かつ美しい大雪国立公園等々、枚挙に暇が無いほど豊かな自然に囲まれております。21世紀において自然と共存し持続可能な発展を目指そうとする人類にとって、自然や環境は今まで以上にこわれやすい存在、貴重なものとして意識して対峙していかなければ、これからの工学や技術の発展は望むべくもないことは想像に難くありません。機械工学・材料力学部門におきましても今後開拓すべき新機軸を自然・環境に重点を移して行くことが求められております。このような想いが図らずもこのオホーツクの地に2001M&Mの開催へといざなったのかも知れません。
さて、2001M&M北見は8月1日(水)〜3日(金)に開催されます。M&Mの開催地としては交通、宿泊の面でご不自由をお掛けするものと存じますし、ここ数年、北海道も本州とかわらず暑い夏を迎えております。恐らく、期間中も暑さが予想されますが、講演会の熱気でその暑さを吹き飛ばしていただけることを期待いたしております。また、講演会につづく8月4日(土)は2001M&M北見に参加された後に原始の森をさまよい自然のいざないを受け入れ、その暗示を感じていただけるように幾つかのツアーをご用意いたしております。お楽しみ頂ければ幸いです。さらに、講演会の中日(8月2日)の懇親会はオホーツクで栽培されました麦とポップで醸造しております本邦初の地ビール、オホーツク・ビールをお楽しみ頂くとともに講演会の熱気で乾いたのどを潤していただけるよう計画を進めております。是非、多くの方がご参加され、有意義な研究交流と活発な議論で盛り上がりますことをご期待いたしております。
2001年年次大会「福井」へお越し下さい
開催日 2001年8月27日(月)〜30日(木)
会 場 福井大学,福井工業大学
今年の機械学会年次大会は,北陸の地福井で開催されます。福井は風光明媚な東尋坊,曹洞宗総本山で有名な永平寺があります。また,福井は京都に近く歴史の豊富な街でもあり,福井の礎を築いた第26代継体天皇,鎌倉・南北朝の名将新田義貞,戦国時代の武将朝倉義影や柴田勝家,徳川家康の二男結城秀康などが有名で,また幕末の藩主松平春嶽も輩出しており,歴史的な遺跡が数多く残っています。
機械学会年次大会の本格的な準備として,昨年名城大学の2000年年次大会終了日に役員会が開催され,以後3回の地元役員会が開催されました。今回の年次大会の大きな特徴は,福井大学と福井工業大学の共同開催です。福井駅,両大学がいずれもバスで10分くらいの等距離に位置し,大会当日福井駅に到着した参加者をどう振り分けるかなど大きな問題を抱えています。8月の暑い最中の学会ですので,できるだけエアコンの利く講演会場ということで苦肉の策でした。現段階ではまだ講演会場の割り振りが終わっていませんが,今後ホームページに掲載したり,福井駅に案内係を配置して参加者が迷うことなく会場に到着できるようにする予定です。また今回の最も大きな特徴は,中国,韓国,インドネシア3カ国から機械学会会長の参加があり,国際シンポジウムが8月29日(水)午後に企画
されていることです。今後,アジア地域との研究・技術交流がさらに押し進められる礎になることと思います。
講演の申込みは,2月23日現在で約1100件です。材料力学部門ではオーガナイズドセッション8件,ジョイントセッション7件が企画されています。また,基調講演2件,ワークショップ2件,先端技術フォーラム3件,新技術開発リポート1件が予定されています。活発な大会になるように準備しております。
夏の暑い日程で恐縮です。会場が2会場となっておりますのでくれぐれもお間違えなく。詳細は下記のホームページをご覧下さい。それでは,福井でお会いできることを楽しみにしています。
連絡先:服部 修次
福井大学工学部機械工学科
〒910-8507 福井市文京3-9-1
TEL&FAX 0776-27-8546
E-mail;hattori@mech.fukui-u.ac.jp
ホームページアドレス;http://www.jsme.or.jp/2001am/
「国際会議紹介」
InterPACK'01が開催されます
日本側組織委員代表 岸本喜久雄(東京工業大学)
1992年に米国機械学会と日本機械学会の共催でスタートしたエレクトロニックパッケージの会議は,1995年よりInterPACKとなり2年ごとに開催される国際会議として定着しています.現在は,米国機械学会が主催し日本機械学会が共催するといった形式になっています.本会の部門としては,材料力学部門,熱工学部門,計算力学部門,情報・知能・精密機器部門などが関係していますが,1997年には白鳥正樹先生,1999年には坂真澄先生が,General
Co-chairを務められ,本部門が中心的な役割を果たしてきています.
今回のInterPACK'01はハワイ州カウワイ島で2001年7月8日〜13日に開催されます.会議では,全部で14のセッション(米国機械学会はTrackと呼んでいます)が企画されています.大部分のTrackの企画に日本が協力しております.会議では,5件の基調講演と約350件の講演が予定されています.その中で,日本からは,1件の基調講演と50件近くの講演を予定しています.興味をお持ちになった方は,http://206.20.98.79/ に是非アクセスして下さい.それでは,カウワイ島で皆様とお会いすることを楽しみにしています.
材料の破壊と強度に関するアジア太平洋会議と実験力学先端技術国際会議
(APCFS & ATEM
'01)のご案内
庄子 哲雄(東北大学)・坂 真澄(東北大学)
開催日
2001年10月20日(土)〜22日(月)
会 場
仙台市国際センター
本年10月20日(土)から22日(月)の3日間にわたり,仙台市国際センターにおいて,機械構造物および材料の破壊と強度の分野ならびに実験力学に関するすべての分野を対象として,「材料の破壊と強度に関するアジア太平洋会議Asian
Pacific Conference on Fracture and Strength '01 (APCFS
'01)」と「実験力学先端技術国際会議International Conference on Advanced Technology
in Experimental Mechanics '01 (ATEM '01)」を併催する「APCFS & ATEM
'01」が開催されます。本会議では,Prof. J.D. Achenbach (Northwestern University,
USA),Prof. W. Arnold (Fraunhofer Institute for Nondestructive Testing
(IzfP), Germany),Prof. W.T. Chen (National University of
Singapore, Singapore),Dr. F.P. Ford (USA),Prof. A.S. Kobayashi (University
of Washington, USA),Prof. M. Taya (University of Washington,
USA)らの招待講演を予定しております。また一般講演・ポスターセッションにつきましては,10ヶ国余から,総数180件以上の発表を予定しております。本会議が盛況となることを期待し,皆様のご参加をお待ちしております。 本会議の頃には,蔵王や近くの山々の紅葉も見ごろになる季節です。それでは皆様方,仙台でお会いするのを楽しみにしております。
問い合わせ先:高野宏輝
東北コミニュケーションズ
〒980-0021
仙台市青葉区中央3-6-8
JTBビル3階
TEL:022-262-5055,FAX:022-262-5002
e-mail:APCFS_ATEM@rift.mech.tohoku.ac.jp
高温材料研究の未来を語る筑波の会
CREEP7運営委員会委員長 藤岡照高(電力中央研究所)
2001年6月3日(日)から8日(金)までの6日間(ただし,日曜日は登録受付とパーティのみ,金曜日は見学会のみ),茨城県つくば市の物質・材料研究機構(旧科学技術庁金属材料技術研究所)にて「第7回クリープと高温疲労国際会議(略称:CREEP7)」が開催されます。この会議は,1963年に始まる大変伝統のあるもので,これまでイギリス,アメリカ,日本の各国機械学会の持ち回りにより,4〜5年に一度のペースで開催されてきました。今回は前回のロンドン会議における決定を受けて日本で開催されることとなり,事務局を電力中央研究所(当初は東京大学)に設置し,準備を進めてきました。
この会議は伝統的に火力,原子力などの発電設備高温機器の設計,余寿命診断が中心テーマに取上げられてきましたが,昨今の高温強度研究の幅の広がり,より厳しい環境下での材料使用のニーズを反映して,ガスタービン用超合金やコーティング層,あるいは鉄鋼材料でも冶金学的側面に着目した検討や材料開発に関する論文発表申込が届いております。従来型の蒸気タービン火力設備についても,溶接部強度や欠陥評価基準化,あるいはリスクベース検査プログラミングなども取上げられ,材料開発⇔材料強度評価・メカニズム研究⇔設計・余寿命評価基準⇔経済性をも加味した意思決定,と言った具合に,研究のベースとなる学問領域や視点の点でも,これまでより幅広い領域にまたがった研究発表がなされる見通しにあります。
また,(日本者が最も多いのは仕方ないにしても)途上国からの参加希望も届くなど,空間的な広がりも見せてきており,高温材料強度研究が,狭い先端領域に新たな研究対象を求めるだけでなく,境界領域や技術継承をも含めた,総合的な発展を指向する段階に達していることを予感させます。
皆様,この機会にぜひつくばにお越しいただき,世代,地域,分野を超えて,高温材料研究の未来を語りませんか?会議概要は下記のとおりで,詳細は会議ホームページをご覧願います。
・宿泊予約:下記ホームページより契約旅行代理店への申込用紙がダウンロードできます。
・事務局(登録申込用紙請求およびお問合せ):〒201-8511 東京都狛江市岩戸北2-11-1/財団法人電力中央研究所狛江研究所 第7回クリープと高温疲労国際会議事務局(代表者:新田明人,担当者:藤岡照高)/電話(03)-3480-2111(代表)/FAX(03)-3430-2410/E-mail:creep7-ml@criepi.denken.or.jp
CREEP7ホームページURL:http://criepi.denken.or.jp/creep7/
研究会、分科会紹介
A-TS
03-10
内部構造を考慮した材料非線形問題研究会
本研究会は1995年10月設置され,80余名の委員による研究交流・情報交換を通じて下記分野における研究の問題点抽出と方向付けなどの検討を下記代表委員を中心に行っている.
機械学会関係者のみならず金属学会や鉄鋼協会など材料工学の分野の研究者との交流も行っており,「ミクロ・メゾ・マクロスケールからの変形と破壊シミュレーションに関する調査」と題して研究報告書(第1?3集)をとりまとめ各委員に配布し、研究の便宜に供している.
記
(1)転位論(数理転位論及び結晶転位論、分子動力学法等)を基礎とする研究分野
(2)結晶要素(せん断帯、粒界、双晶、異材境界、入り込み/突き出し、介在物等)モデルに基づく研究分野
(3)連続体モデル(塑性ひずみ勾配理論など)に基づく研究分野
(4)メソスケール構造に関する実験研究分野
代表委員 大橋
鉄也(北見工大)転位場理論関連、大野信忠(名古屋大)複合
材料関連、北川
浩(阪大)分子動力学関連、高橋寛(山形大)結晶塑性関連、
田中
喜久昭(都立科学技術大)相変態を伴う力学特性、中曽根祐司(東理大)
マイクロメカニクス関連、渡部
修(筑波大)連続体塑性理論関連
A-TS
03-11
弾性数理解析法の工学的体系化に関する調査研究会
当研究会は平成9年4月に主査・畑俊明(静岡大),幹事・大多尾義弘(大阪府立大),委員56名で設置され,昨年末には大阪府立大学で中間まとめの研究発表会を行い,本年4月から主査と幹事が渡辺一実(山形大),芦田文博(島根大)に交代して継続した活動を展開している.例年,年次大会と材料力学及び計算力学部門講演会前後に研究会を開催し,年2?3回の研究会には常に20?30名の参加者を得て,活発な討議を行っている.「数理解析法」が研究会の表題であることから研究会委員の研究対象は材料設計からシュミレーション開発に至るまで様々な分野に広がっている.
最近,数理解析的研究手法の重要性が再認識されているが,研究指導者の減少によって若手の育成と研究手法の伝承・発展が危惧されている.当研究会では講演会でのオーガナイザー等に若手を起用するなど積極的に育成支援を行っている.
また,国際会議"Int.
Cong. on Thermal
Stresses"は静岡大学での第1回(1995)から第2回(Rochester),第3回(Cracow)に至るまで当研究会が中心となって開催支援を行った.本年(2001年6月)には大阪府立大学が主催(谷川義信教授)し,大阪工業大学50周年記念館で第4回が開催されることになった.これにも当研究会が主体となって開催準備を支援している.
(文責:渡辺一実)
A-TS
03-13
強度と破壊評価技術の高度化に関する研究会
本研究会は,酒井信介前主査(東大)の後を引き継いで,2000年4月からの期間延長を機に中村春夫主査(東工大)を中心とする体制で再出発しました.引き継ぎ直前には本研究会を中心として材料力学・材料強度の教育・研究が抱える諸問題に対する関心が高まっていましたことから,本研究会では引き続きこれらのを深く掘り下げる方針でしたが,教育問題については別途有力な研究会が発足しましたので,研究面における最近の諸問題にターゲットを絞り,特に近年注目されている特許およびPL法関連の問題を採り上げることとしました.現在は,特許およびPL法関連の最新の話題を提供していただくべく,機械学会のみにとどまらず各方面に情報提供を依頼中です.具体的な内容が固まり次第,材料力学部門のメーリングリスト等を通じて部門登録者の皆様にご案内いたしますので,ご関心をお持ちの方のご参加をお待ちしております.
A-TS
03-14
実験力学先端技術研究会
本会は、平成3年に設置された実験力学研究会(主査:青山学院大学隆 雅久教授)を引き継ぐ形で、平成9年に設置されました。現在の主査は和歌山大学森本吉春教授が務められています。
材料の応力・ひずみ・変形・形状・強度・破壊などを実験的に計測する実験力学は構造物の高性能化・高機能化とともにますます重要になってきています.また,この分野とその周辺技術の向上により,新しい計測法や解析法も多く開発されています.しかし,これらの新しい技術は,普及に時間がかかり,研究室や実験室レベルでは使われたとしても,現場になかなか導入されず,十分に有効に使われていないのが現実です.この原因の一つに新しい技術を開発しても,それを理解したり,使用したりするのに,高度な技術が必要となり,すぐに現場の技術者が簡単に使える形になっていないためであると考えられます.また,安全規則が従来の技術をサポートしており,新しい技術を導入しにくいということも考えられます.
そこで,本会を通じ,実験力学の研究者および現場で実験力学を使用している技術者の交流を深め,実験力学の先端技術に関する研究とその普及を進めることを目指して活動しています.ご興味ある方の委員会への新しいご参加を歓迎いたします。なお、本会のホームページをhttp://moire.sys.wakayama-u.ac.jp/TS-ATEM/に開いています。
(文責:幹事会委員 神戸商船大学 西岡俊久)
A-TS
03-15
エネルギー機器及び材料の健全性評価・向上研究会
エネルギー関連機器は、その内部に莫大なエネルギーを蓄積しているために、公衆災害防止の観点から、極めて高い安全性が要求されている。また、最近では経済性も強く要求されている。この相反する要求に答えるためには、多くの課題が残されています。その具体的な例としては、耐震裕度評価技術の確立、高経年化対策、寿命予測技術の高精度化、プラント維持基準の構築などを上げることが出来ます。本研究会では原子力発電、火力発電、輸送機器の構造及び材料の健全性評価・向上に関する研究活動を行っております。これらの課題の特徴は総合工学的な要素が強いことであります。しかし、最近専門分化の傾向に伴い、異分野との交流の場が必ずしも充分ではないと思われます。特に、新分野の開拓・育成には、耐震工学、材料力学および材料工学などの関連分野の研究者や技術者の協力が必須であると考えます。現在、具体的な研究課題としては軽水炉一次系配管の強度と信頼性(LBB特性、局部減肉材の強度特性、サーマルストライピング問題、不静定な配管系の強度特性等)、応力腐食割れ防止対策(Water
Jet
Peening、レーザーピーニング、応力ピーニング、反射二段ピーニング、応力腐食割れの特色等)及びき裂治癒能力を有する複合セラミックスの開発とその特性評価について行っております。
A-TS
03-16
材料と構造の高度知能化と機能化に関する研究会
材料や構造に光ファイバ等のセンサあるいは圧電素子等のイフェクタを組み込み、外部の環境の変化あるいは材料の損傷や破壊を検知し、それに対して自らを能動的に適用していく材料構造システム、すなわち知的材料・構造の開発を通して、材料と構造の高度知能化と機能化を図ることを目的に平成10年4月に設置された(設置期間5年間)研究会です。このような材料・構造に対するインテリジェント化、スマート化のアプローチは、機械工学に限らず、土木工学、航空工学、船舶工学の分野でも広く認知さされるようになってきました。知的材料・構造に関する研究は、大学での基礎研究に限らず、企業でも実用化を視野に入れた研究開発も盛んになりつつあり、また通商産業省等のプロジェクトなど、産官学の連携の下に、より高度化した研究開発の推進が望まれるところでありましょう。本研究会では、科学技術振興に果たすべき学会の立場から、当該研究分野のより一層の発展に寄与することを目的に、調査研究活動を行っております。
A-TS
03-17
マイクロデバイス設計・製造・実装に関する研究会
本研究会は,4回 /
年の予定で,都心に位置する東京電機大学を主な会場とし,2000年12月で第6回の開催となる若い研究会であります.講演の内容は,構成メンバーの研究分野 ( 材料
/ 機構・設計)
から,材料に根ざした講演と機構・設計に関連のある講演・検討会の構成としています.材料革命が起こったとき機械システムに変革が起こるとよく聞きます.機構・設計側からみますとコストにからむ材料をにらみつつ良い設計をしてはじめて優れた機構・機械ができあがりますが,自分の専門に特化しすぎていますと,材料の性質をあまり知らずに設計しているという場合が少なくありません.また,材料側から見ますと,材料の性質はよく知っているけれどもそれをどのように設計・製造に結びつけ,どのように実装技術にまで高めたらよいかを深く理解していない場合が多いように思います.本研究会は,噛み砕いて述れば,根っこ
( 研究分野 )
の異なる方々の議論を通じて,従来にない材料と機構・設計をよく理解した上での真に良い機械システムを実現しようというものであり,部門・研究会が多数ある日本機械学会でも,たいへんユニークな研究会であると考えています.
本研究会に少しでも興味をもたれた方は,電子メールにて,本研究会を根幹のところで支持しております幹事・川上 崇(東芝;
takashi1.kawakami@toshiba.co.jp)または主査・堀江三喜男(東工大;mhorie@pi.titech.ac.jp)にご連絡下さい.電子メールをお待ちしております.
A-TS
03-18
材料力学の教育内容・方法改善に関する研究会
学力(基礎知識+学習動機・意欲)の低下、価値観の多様化、その他様々な理由により、従前レベルの高等教育の質の維持が困難となってきています。その一方で、大学審議会答申やJABEE設立に見られるように、卒業時の資質保証や教育目標達成が強く求められています。問題解決には、教官の教育力(FD)向上が不可欠です。点検・評価の時代、FDの進展には、各人が持てるknow-howを公開し、情報・意見交換を通じてよりよい方向を模索する”教育”に関する研究が必要です。表記研究会は、機械工学の大黒柱である材料力学のFDを、メディア媒体を最大限に活用して進めて行くことを考えています。さらに、企業が求める技術者教育についても、必要な情報を収集し、また、それらを反映しながら研究活動を展開します。なお、本研究会では、ホームページ(http://zaiken.mech.kyutech.ac.jp/
、パスワードzairikiken)を開設し、委員相互の意見・情報交換の場としています。すでに約50校にのぼる大学・高専の先生方にご参加頂いていますが、ご関心をお持ちの方は、この機会に是非輪に加わって下さるよう、お願い申し上げます。
「A-TS
03-19
次世代表面改質皮膜の機械的安全性保証に関する研究会」の紹介
最近の表面改質技術の進歩はめざましく、特に超微細もの造り(ナノテクノロジー)に関連して、国の内外で強い関心が寄せられている。表面改質の高機能化製品開発に対する効果は大きく、あたかも模式図の水戸黄門様の印籠のように小さく(薄く)ても絶大な効果を発揮する。
しかしながら、現状では先進的表面改質技術を実用化するに至るまでは、“時間の長い”(苦労の多い)安全性保証の取組みが最も重要な課題の一つとなる。当研究会では、特にこの表面改質材の機械的安全性保証に焦点を合わせて、機械学会の多くの会員が広く情報を交換できる場となるように運営に努めている。
そこで、研究会では、下記の三つの調査を当面の活動の柱としている。すなわち、
(1)
DLC、MoS2成膜などによる超低摩擦化。
(2)
TiCN、TiAlNなど新世代皮膜と窒化や浸炭などを複合させたハイブリット表面改質による、超耐摩耗性の発現。
(3)
ソフトコーティングなどの新しい表面改質法による機材損傷の治癒や離型性の発現。
いずれも、研究会のメンバーにとって、学術的にも工学的にも極めて関心の高いテーマであり、熱心な情報交換が展開されている。研究会は昨年の11月から毎月1回の割で開催し、誰でも講演(広報)も聴講も自由である。ぜひ、多数の方々のご参考を希望いたします。
連絡先:〒316-8511
茨城県日立市中成沢町4-12-1
茨城大学工学部システム工学科教授 鈴木秀人
メールアドレス:belltree@ipc.ibaraki.ac.jp
電話:0294-38-5189
ホームページURL:http://btl.dse.ibaraki.ac.jp/
P-SC326
「形状記憶合金の製造・加工技術と機能発現」に関する調査研究分科会の活
動状況報告
主査 木村 雄二(工学院大学、kimura@cc.kogakuin.ac.jp)
幹事 佐久間
俊雄(電力中央研究所、sakuma@criepi.denken.or.jp)
小茂鳥 潤
(慶應義塾大学、komotori@mech.keio.ac.jp)
形状記憶合金の強度と破壊に関する調査研究分科会(P-SC290:主査 渋谷寿一〔東京工業大学〕)におけるこれまでの分科会活動を基礎とし、形状記憶合金の最新の製造・加工技術とそれにより発現される各種機能の関連を明確化し、また、これらの機能の喪失をもたらす材料の劣化現象と把握とその改善を意図して、差し当たり2年間の設置期間で標記調査研究分科会を材料力学部門に設置し活動を開始している。
本分科会では、特に、形状記憶効果を有する新素材開発ならびに医療・生体材料、ロボット、マイクロマシンなどに対する同材料に適用の可能性などについて明確にすることに力点を置く予定である。具体的には,Data
base, 医療・医用材料ならびにMicro
elementに関する課題を取り扱うWGを設置し、本委員会共々オープンな形での議論を開始しつつありますので、皆様の積極的なご参加をお待ちしてお
ります。
P-SC
327
放射線応力評価分科会
近年、高密度化、高エネルギー化、コンパクト化などをキーコンセプトとした、機器の技術の進歩には著しいものがある。これに伴い、新しい機器の開発設計にあたっては、複雑な部分の疲労を含む強度評価に一層の正確さが要求されるようになっており、正確な応力・残留応力評価が機器設計の中心課題となっている。本研究会は、第3世代の大型放射光施設(SPring-8)を活用することにより、条件が厳しい複雑部材の応力(残留応力)分布を測定するための方法を検討し、SPring-8を使った実測を試みることを目的として、2000年4月に設置された(主査:京都大学工学研究科 駒井謙治郎)。すでに、(1)放射光を用いた応力測定に対する利用ニーズの調査を行い、金属・単結晶(3件)、複合材料・セラミックス(4件)、コーティング(5件)、電子デバイス(3件)の具体的なニーズが産官学にあることを把握した。引き続いて、(2)複雑形状部材、微小部材、コーティング材、セラミクスとの複合材料などを対象とした応力測定法の提案、(3)適当な対象を選定し、SPring-8共用ビームラインを用いた課題申請と計測に取りかかる予定で、(財)高輝度光科学研究センターの全面的なバックアップのもとに、活動を展開中である。
材料力学部門への登録勧誘のお願い
武正文夫(石川島播磨重工(株))
材料力学部門運営委員会の第8技術委員会は,本部門の登録会員数の拡大を目指し活動しています.日本機械学会では,現在,部門運営制度の転換が進められています.これにより,今まで以上に部門活動の活性化が求められています.部門活動の活性化を計る指標の一つとして部門登録者数が挙げられます.部門活動の充実とともに,材料力学に関する学術・技術の交流の場を拡大するためにも部門登録者数を増やすことは重要です.
さて,現在,日本機械学会の会員数は約4万人です.会員の所属構成はおよそ企業が60%,学校関係が30%,その他が10%となっています.各部門は部門登録会員が中心となり運営されますが,企業に所属する会員の20%,学校関係会員の30%,全体で25%以上,つまり1万人以上の方が部門に登録されていません.材料力学部門の第1位登録者から第3位登録者までの合計数は平成13年3月現在5843名ですので,如何に多くの方が部門に登録されていないかが分かります.
製造業をはじめ産業界において,材料力学へのニーズはますます拡大しています.部門未登録者で材料力学に関係する仕事をされている方もかなりの数にのぼると考えられます.これらの方々に本部門の活動を知っていただき,参加していただければ,単に部門だけでなく,材料力学分野全体にとって有意義であることは間違いありません.
そこで,皆様の周りに,部門未登録もしくは材料力学部門に未登録の方がいらっしゃいましたら,是非本部門への登録をおすすめください.
なお,会員登録は,下記のように日本機械学会の会員課へメール送付していただくだけで,簡単に行えます.皆様のご協力をよろしくお願いいたします.
記
メールアドレス
memappli@jsme.or.jp
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部門登録の願い
会員番号
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氏名 *****
材料力学部門(030)へ新規登録します.あるいは
第一登録 ***部門から
材料力学部門へ部門登録を変更します.
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発行
2001年 4月 30日
発行者 160 東京都新宿区信濃町35 信濃町煉瓦館 5F
(社)日本機械学会
材料力学部門
電話 03-5360-3500 FAX 03-5360-3508
ホームページ http://www.jsme.or.jp/mmd/index.html
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