第7技術委員会 川上 崇 (東芝)
新たな技術を切り開いて客観的な評価を与えると共に、製品開発に技術が正しく活かされるよう社会を先導することも学会の大きな使命です。特に材料力学は、あらゆるハードウェアー製品の最終的な信頼性をつかさどっています。一たび材料強度関連の不具合を起こすと、経済的、人的な被害に加えて大規模な環境破壊にもつながり、取り返しのつかない事故になる場合もあります。
形あるもの(材料)には寿命があり、いつかは壊れます。材料力学は、荷重条件や使用環境をパラメータに、機械的な強度の面からコストとのバランスを考えて合理的な設計を成立させる技術です。特に破壊力学は、材料の壊れる様を評価・予測するもので、強度設計、寿命評価、事故解析にと広く産業界においても活用されるようになってきました。
材料力学部門では、12月8日(月)と9日(火)に都内において“破壊力学の基礎と応用”と題して講習会を開催します。内容を以下に示します。詳細は10月号学会誌会告欄をご覧下さい。
・考え方(東京大学 渡邊勝彦教授)
・評価パラメータ(東京工業大学 中村春夫助教授)
・破壊靭性と試験法(静岡大学
東郷敬一郎教授)
・非破壊検査法(東芝 平澤泰治主査)
・疲労強度(金属材料技術研究所
松岡三郎ユニットリーダー)
・複合材料への応用(東京大学 影山和郎助教授)
・セラミックスへの応用(愛媛大学
岡部永年教授)
・船舶事故の解析(東京大学 大坪英臣教授)
・エネルギー機器開発への応用(電力中央研究所
緒方隆志主任研究員)
・重大事例と社会的責務(東京工業大学
小林英男教授)
基礎から応用まで、多くの事例を交え、著名な講師により分かり易く、後々活かして頂けるように解説します。多数のご参加をお待ちしております。
引き続き年明けには有限要素法の講習会を計画しています。ご期待下さい。