インターネット大学をめざして

轟 章 (東京工業大学工学部)

 材料力学部門ニューズレターでホームページ紹介を行うとのことで今回紹介する機会をいただきました。ここでは私個人のインターネット利用のありかたの理想と現状を紹介したいと思います。

(1) 授業用プリントのホームページでの公開
 これは現在私が受け持っている情報処理の講義で実際に利用しています。ホームページに掲載することで、例題を利用したプログラミングなど学生が自由な発想で実習しています。もちろん自宅からも見ることができるので、予習する学生も多くなり、一石二鳥です。また、迅速な内容変更ができるため非常に便利です。
(2) 研究内容の紹介(論文集に掲載できないマルチメディアな情報を含むことが理想です)
 これは現在建設中です。私の研究分野である遺伝的アルゴリズムを用いた複合材料の最適設計に関してはアニメを使って染色体の交叉や突然変異を解説しています。
(3) 研究成果の公表(実験データの数値・数式の公開やプログラムの公開)
 これに関しては、現在はオブジェクト指向の複合材料剛性解析と遺伝的アルゴリズムの例題のソースファイルと実行型ファイルがホームページからダウンロードできるようになっています。
(4) インターネット上での講義(ホームページと電子会議、メールを利用した講義
 受講とレポート提出が可能なインターネット上の講義を計画しています。動画やパソコン利用など、講義室では困難なことができるため、期待しますが、大学制度として認定されるかという問題点があります。現在は実験的に情報処理の講義資料を公開しています。
(5) インターネット上での研究会(ホームページと電子会議を利用した研究会)
 現在はまだ立ち上がってはいませんが、将来的にはいくつかの項目でインターネット上だけの研究会を開催したいと考えています。利点は距離に関係なく様々な大学や企業の研究者が意見交換できることです。

 インターネット利用には他にも多くの利用価値があると思います。例えば、便覧の電子ブック化(数式などがそのままプログラム化されている本など)や破面データのキーワードによる検索、論文集の検索などです。現在、機会学会講演の将来を探る観点からマルチメディア&インターネット利用の研究発表講演会が企画されており、本年度中に開催される予定です。これに先立って、私のホームページ上でもまもなく研究成果のマルチメディア利用の公開の試験を実施しますのでご覧ください。
URL : http://ueno.mes.titech.ac.jp/todo-j.html



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