第74期材料部門を開始するにあたって

次期部門長 小倉敬二(大阪大学)

 平成8年4月より村上敬宜先生のあとを引き継いで部門長を勤めさせていただくことになりました。副部門長で十分な見習いをしないままの部門長就任で、申し訳なく思っておりますが、幸い副部門長に有能な田中啓介先生を得て、ご援助を得つつなんとか勤めを果たしたいと考えておりますので、ご支援をお願いいたします。
 材料力学部門は創設以来8年を経て、機械学会部門の中心的役割を果たす大部門に成長いたしました。現在の材料力学部門の活動は誠に活発であり、講演会における講演件数も多数にのぼっております。ちなみに、毎年行われている材料力学講演会における講演発表件数は,平成3,4,5年と増加を続け、平成5年にはついに500件を越えました。平成6,7年はやや減少し安定期に入った傾向も見られますが、13室に達する講演会規模は機械学会全国大会のレベルとなっております。ご同慶のいたりでありますが、そろそろ転機を迎えつつあるようにも思われます。
 分科会および研究会活動も活発であります。新しい分科会、研究会設置の要望は登録会員の方々から数多く寄せられておりますが、部門内規ならびに予算の都合上数に制限があり、すべては承認できないのが現状です。現在活動中のものは、表2に示す部門(協議会〉所属分科会3件と部門内研究会7件であります。スクラップアンドビルドが基本でありますが、できる限り新しいテーマ、新しいメンバ一による分科会、研究会を設けていきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
 最後に材料力学部門の活性化の原動力となる部門の登録会員数でありますが、歴代部門長のご努力により登録会員数は増加の傾向にあります。しかしながら流体工学、機械力学・計測制御、熱工学の上位3部門に比べると増加率が低く、水を開けられる傾向にあるのは残念です。村上部門長もニュースレターで度々指摘されたように、あらゆる部門活動に企業の研究者、技術者の参加をいただくことが部門の活性化にきわめて重要です。引き続き登録会員の増加に皆様のご協力をお願いいたします。

表2 材料力学部門で活動中の分科会・研究会

分科会
構造物の強度と破壌に関る未解決問題調査研究分科会(平6.1〜平8.12) 主査 岸本喜久雄(東工大)
材料・機械構造物の衝撃破壊現象とその防止に関する調査研究分科会(平5.7〜平8.6) 主査 谷村眞治(大阪府大)
電子デバイスにおける材料力学的問題に関する研究分科会(平7.9〜平9.8) 主査 池上皓三(東工大)
研究会
実験力学研究会(平3.4〜平8.3) 主査 隆 隆久(青学大)
表面・界面の創製技術と特性評価に関する研究会(平3.10〜平8.9) 主査 清水真佐男(慶応大)
航空機構造の長寿命化対策研究会(平5.7〜平8.6) 主査 砂川 恵(日大)
知的材料・構造研究会〈平5.4〜平l0.3) 主査 江川幸一(新潟工大)
先進鋳造材料の信頼性評価に関する研究会(平7.9〜平9.8) 主査 原田昭治(九工大)
製品欠陥と破壊事故調査研究会(平6.11〜平8.10) 主査 村上敬宜(九大)
内部構造を考慮した材料非線形間題研究会(平7.10〜平9.9) 主査 金子堅司(東理大)

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