日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第68号

フジ自動マッサージ機
―世界初の量産型マッサージチェア―

 本機は、フジ医療器製作所(現フジ医療器)を創業した藤本信夫により1954(昭和29)年に作られた、世界初の量産型マッサージチェアの第1号機である。これは、タイル掃除用ブラシを製造販売していた創業者が、銭湯で専門職の手を使わず気軽にマッサージできる機械を作りたいという思いから誕生した。
 戦後の物資不足の影響がまだ残る中、揉(も)み玉に軟式野球用ボールを用いたり、アームの上下調節機構に自転車用チェーンを使用したりするなど、資材調達に苦労しながら試行錯誤を繰り返し、ようやく本機の完成にこぎ着けた。
 マッサージチェアはその後、後続メーカが出現して新たな商品が販売されたことなども手伝い、社会への普及が始まり、2012(平成24)年には年間販売台数が約36万台までになった。当初は銭湯やデパートなど公共の場所に設置されていたものが、現在ではいわゆる「健康家電」として家庭にまで普及している。
 マッサージチェアはわが国で発明された医療器械であり、国民生活とその福利厚生に大きな影響を与えた、ユニークな機械の一つである。現在も可動状態にある本機は、マッサージチェアのルーツとして象徴的な存在である。

《写真提供:株式会社フジ医療器》

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株式会社フジ医療器

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大阪府南河内郡太子町太子2372-95
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交通機関:
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