イブニングセミナー(第200回) 日本文明と地形の謎
【開催日】
2016年10月26日(水)18.00~20.00
【趣 旨】
技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も,社会との深い関わりの中にあることは明らかである.われわれが新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
【講演テーマおよび講師】
歴史は過去の出来事である. 歴史を振り返る人の立場によって, 歴史の見方は全く異なっていく. 勝者の立場, 敗者の立場かによって物語は正反対になっていく.
うすぼんやりとモヤに包まれた歴史の謎を解くことが, 日本文明とはなにか?日本人とはないか?に繋がって行く. 政治的, 宗教的, 経済的, 文化的, 芸術的さらに生態学的立場など, 様々な方向と観点から歴史を解明していく努力がなされている.
ところが, 日本の歴史の謎に登頂するルートで, まだ多くの足跡がない未開発のルートに気が付いた. そては「地形」というルートであった.
土木分野で人生を送った私は,地形と気象の専門家である. そのため, 地形と気象の視点から歴史を見直すと, 従来言われてきた歴史の物語がずいぶんと異なることに気が付いた.
地形と気象の観点から歴史に光を当てていく作業が始まった.
なぜ, 奈良で日本文明が誕生したか?なぜ, 家康は江戸に行ったのか?なぜ, 日本人は小さなものを愛するのか?なぜ, 中部地方がモノ造りの拠点となったのか?なぜ, 京都で路面電車が誕生したのか?なぜ, 日本人はロボットと相性がいいのか?
これらの疑問と謎を, 日本列島という鍵で開けていくこととなった.
講師 竹村公太郎(日本水フォーラム代表理事)
<懇親会>
明治大学アカデミーコモン1階の「カフェパンセ」にて,講師を囲んで懇親会を行います.
会費 3 000円程度
次回予定:
第201回 2016年11月30日(水)