第46回バイオサロン
2016年1月08日 | バイオエンジニアリング部門特別講演会主催No.15
【開催日時】
2016年1月8日(金)15:30~17:00
【題目】
プロテオミクスによる生体の究極のプロファイリング
【講師】
東京工業大学 生命理工学研究科 分子生命科学専攻
准教授 林 宣宏
【内容】
細胞機能を制御し駆動しているのは多種多様な機能を持ったバイオナノマシンである蛋白質である。蛋白質によって制御し駆動されている細胞の性質や状態は、そのシステムを構成している多種多様な蛋白質の種類と量と状態により決まる。従って、蛋白質の種類と量と状態を網羅的かつ俯瞰的に調べること(プロテオミクス)は、細胞(生体)の究極のプロファイリングである。しかしながら、プロテオミクスは、その手技の難しさから、これまで研究においては用いられても、医療や産業において実用化されることはほとんど無かった。
近年、我々は、プロテオミクスを実用化するために、プロテオミクスの基盤技法である二次元電気泳動技術の(大量の検体を扱うための)ハイスループット化と(微量な検体でも分析を可能とする)高感度化に成功した。この技術を用いてこれまでは扱えなかった分野にプロテオミクスを拡げることを試み、それにも成果が得られたので、現在、さらに適用範囲を拡充するために、簡便に扱えて持ち運べるような小型の装置の開発と大量のデータの自動解析アルゴリズムの開発を進めている。今回はその進捗状況をご紹介し、プロテオミクスの将来の可能性と、その実用化により変わる社会の未来を夢想したい。
【司会】
東京工業大学 大学院情報理工学研究科 情報環境学専攻 中島 求
【定員】
40名