イブニングセミナー(第192回) 福島原発事故における「想定外」と「無責任体制」
【開催日】
2016年1月27日(水)18.00~20.00
【趣 旨】
技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も,社会との深い関わりの中にあることは明らかである.われわれが新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
【テーマおよび講師】
わが国は法治国家です.「原発の安全」については,それに相応しい法的規制として,
①適切な安全基準が法律に定められ,
②行政当局がこの法律に基づいて原発事業者を的確に規制し,
③その違反に対しては裁判所による厳正な司法審査が及ぶこと,
が不可欠です.
福島原発事故は「想定外」の地震、津波に襲われたことによる事故とされていますが,それに対する法的規制の実態はどうだったのか.また、「原発の安全」に関わった科学技術者の果たした役割はどうだったのか.
事故から既に4年半が経過したのに,未だにこれらの実態から何を教訓として学び将来に活かすかについて,国民的な共通理解が深まっていません.
その中で原発再稼働に向けた動きが加速する一方で,検察審査会の議決によりこの事故の刑事責任を問う裁判も開始されようとしています.
是非,以上のような問題点について議論を深めたいと思います.
講師 古川元晴(弁護士,元京都地検検事正,元内閣法制局参事官)
<懇親会>
駿河台キャンパス内アカデミーコモン1階の「カフェパンセ」にて,講師を囲んで懇親会を行います.懇親会費 3 000円程度
次回予定:2016年3月23日(水)18.00~20.00
テーマ「福島原発事故における想定外と法的責任」関連